元野良の成猫が人馴れしていく過程を経験して
今、私の右足にはサビコさんが乗っています。
サビコさんは隣家の庭で乳飲み子4匹を育てているところを私の母に発見されました。
※乳飲み子4匹は2匹ずつ別の里親さんの家猫になりました。
避妊手術を受け、半年以上、地域猫ライフを送っていたサビコさんですが、「ごはんを要求する声がうるさすぎて近所迷惑になる」という理由で家猫になりました。
ちょっと時間はかかるかもしれないけれど、家に入ればふかふかのベッドで眠れおいしいごはんも食べられる。
外にいる時点でもちゅ~るをあげれば触ることができたので、放っておけばそのうち馴れるだろう、と私は考えていました。
しかし。
家猫になって半年近く、サビコさんはひたすら人間を拒絶し、夜鳴きを続けました。
さらっと書きましたが、半年近く、です。
子猫や、元々人間に飼われていた猫の場合は、こんなことってほぼないと思います。
実際、子猫や、元々人間に飼われていた猫しか飼ったことのなかった私は、ここまで…?とちょっとメンタルやられそうになりました。
サビコさんは、人に最も馴れにくいとされる野良の成猫+経産婦、というスペックの持ち主だったので、野良の成猫の中でも特に大変だったのかもしれません。
それでも、根気強く接触を繰り返し、噛んだり引っ掻いたりしたらダメと躾け、1年半が経ち今に至ります。
そして今では冒頭の通り。
気を許した人間にはくっつくのも抱っこされるのも大好きな甘々猫になりました。
噛んだり引っ掻いたりもしません。
時々思わず口や手が出てしまった時は、「しまった!」という顔をします。笑
野良の成猫は警戒心が強く人に馴れない…とはよく言われることで、だからそもそも保護するのも大変だし、保護してもリリースして地域猫やさくら猫として生きていく猫が多いと思います。譲渡会などで家猫になるチャンスを持てる猫なんてほんの一握り。
猫にとって何が幸せかなんてわからない…けれど、サビコさんを見ていると、どんな猫だって、家猫になって甘々猫になる可能性を持っているのにな、と思わずにはいられなくなりました。
本当に、どんな猫でも。
経済的にも精神的にも大変なので、だからみんな(子猫より人気のない)野良の成猫を飼って!とは口が裂けても言えないけれど、今なかなか人馴れしない猫を飼って心が折れそうな人がいたらがんばってほしいな…
最近はサビコさんを見ながらそんなことを考えていました。
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