人生、転職、やり直しゲーム 第1章
【GPSに進む】
【GPS】
俺は顔の筋肉が激しくニヤけるのを感じた。
死んじゃうくらい俺と会いたいのか。
放置プレイはまずいな。
また会っておかなくては。
俺は、今日の仕事が終わったら、
食べ物と酒を沢山買って、
乱子ちゃんのアパートに行くから、
待っていてと返事をした。
会社支給の携帯のGPSは、どうしようかな…
課長に女の子と遊んでいるのがバレたら、
何を言われるかわからない。
俺は、乱子ちゃんのアパートの近くの
24時間営業のスーパー銭湯の会員となり、
乱子ちゃんの家に行く時は、
そこに併設された会員用のロッカーに
会社の携帯電話を入れる事にした。
課長に家に帰っていない事を指摘されたら、
地主の接待で飲みに行って遅くなり、
スーパー銭湯に泊まってから
会社に出社した事にすればいいや。
車を会社に置いて行った。
俺は、
携帯電話の小細工を終えた後、
深夜、24時間スーパーで酒と食べ物を沢山買った。
サラ金でつまんだ金はこの前使ってしまったから、
クレジットカード決済だ。
昔は使えなかったが、
使用出来ない期間が過ぎて、
また、使えるようになった。
歩合が入ったら、返せるからと
ここ何ヶ月か俺は自分に言い聞かせているが、
そろそろ銀行引き落としの金が口座からなくなりそうだ。
本当にヤバい。
買い物は、なるべくチープに見えない食材を選んだが、
所詮、スーパーの惣菜だ。
今度、とびきり美味しい店に連れて行ってあげないと、
「ケチな男」と思われてしまうな。
俺は、乱子ちゃんの同級生のような若さはないが、
社会人として、
金を持っているところを見せたかった。
乱子ちゃんは俺だけのモノだ。
Fラン大学のゼミやサークルのバカ男達なんかに
渡すものか。勿体ない。
あいつらは、エロ動画とエロ漫画で十分だ。
下半身も金も同級生に負けたくない。
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