人生、転職、やり直しゲーム 第1章
【堂々と手に持っている】
俺は堂々と金を手に持ったままでいた。
「鴨葱さん、お預かりします」
総務の役に立たない新人が俺を呼ぶ声が聞こえた。
「無能さ~ん!荷物、全部詰めました」
「それじゃあ、鴨葱さん。今日はこれで失礼します。
また、様子を見に来ますね。
何か困ったことがありましたら、携帯に電話ください」
「ああ、分かったよ。ありがとう」
俺たちパワハラパレスの社員は
ダンプの運転席と荷台に乗りこんで引き上げた。
総務の新人が言った。
「金を受け取ってましたね」
やはり気になったのだろう。
デカい声で言うなよ。他の社員にも聞かれてしまった。
タダで引越しをしてもらうのは悪いと、
引っ越し代金をチップとしてくれる客がたまにいるから、
その類の金だと思って期待したのだろう。
「これは、契約金の未払い分だ。
お前らのお小遣いは貰えなかった」
「えぇ~っ!休みの日にサビ残でわざわざ出てきたのに…」
皆、ブーブー文句を言い出した。
しょうがないから、
皆に昼飯を奢った。
食べ放題の店に連れて行って、皆でガツガツ豚のように飯を食った。
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