おばあちゃんの漬物石と初女さん
北関東の里山より、こんにちは。今は使われていない古い小屋を片付けていたら、大中小の石が出てきました。かつて、亡くなったおばあちゃんが使っていた漬物石。家では白菜や大根、古漬けきゅうりなどの漬物を大きな樽で漬けていました。
私の記憶の中の祖母の姿は、佐藤初女さんに通じるものがあります。料理の下ごしらえを丁寧にする後ろ姿や、お漬け物の水の出具合をよく観て、石の重さを変えてゆく姿。初女さんは「お漬け物の声を聴きながら」と表現していました。
いのちのうつしかえ
初女さんの著書の中に、透明になる瞬間という言葉があります。野菜をゆがくとき、色が変わって透明になる瞬間があると。それが「いのちのうつしかえ」の時なのだそう。野菜からの「茹で上がりのタイミングですよ」という合図。そして野菜の命が、食べ物となり、その命を頂いた私たちの体に生かされてゆきます。
ジャムを煮る時も、同じ様な感覚があります。そうして煮たジャムは透明感があって、素材の味が生きているような氣がします。命を頂いているから、「いただきます」なのだなぁと、その言霊をしみじみ感じました。
それでは今日も里山より、お読みいただきありがとうございます。
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