山茶花をあなたに
さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
童謡「たきび」の作詞者・巽 聖歌が当時住んでいたという、東京都中野区上高田には、私も昔住んでいたことがあった。
周辺には樹齢三百年を越すケヤキが6本もありケヤキ屋敷と呼ばれていたとあり、散った落ち葉を集めて焚き火をしている情景が思い浮かんだ。
この辺りは私が住んでいた頃も、住宅街にはまだ大きな庭のあるお屋敷が所々に見られた。
山茶花の赤い花を、11月のどんよりと曇った空の下で見かけると、心にともし火が宿るかのようで、ほっと温かい気持ちになったものだ。
ともし火は、命の火にも例えられる。
ドラマ「わたしを離さないで」を久しぶりに観た。
春馬くん演じるトモは、子供の頃は絵が全然描けなくて、陽光学苑で描かされるのが嫌で仕方なかった。
しかし、恭子と猶予を勝ち取るために大人になってから絵を懸命に練習するようになり、今は描けるようになって本当によかったな、と思う。
そして、最期の提供を迎え旅立った美和と楽しそうにささやき合う子供時代の恭子を描いた絵を眺めながら、彼はこう言うのだ。
" 会えなくなっても "
" 会うことができる "
そのセリフを聞いた瞬間
思わず、声をあげて泣いてしまった
ああ、そうか…
だから今わたしは
春馬くんを描いているのだ
はじめてこのドラマを観た時
このセリフは、まだ私の心に響いてこなかった
春馬くんがいなくなって半年が過ぎた頃
どうしても春馬くんを描きたいという衝動に駆られ
何十年ぶりかで私はまた絵を描き始めた
姿が見えなくなっても
あなたに会うために
山茶花の花言葉
ひたむきさ
・
困難に打ち勝つ
・
謙譲
・
飾らない心
・
気取らない優美さ
・
永遠の愛
・
あなたがもっとも美しい
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