暗幕のゲルニカ
読みたい読みたいと思っていた、
原田マハさんの
「暗幕のゲルニカ」
やっと読みまして。
ニューヨークからパリからバスク、
スペインマドリッド。
私はバスク地方が大好きで、
留学中に訪れたのですが、
もっと独自の文化に触れるべきだったと、
後悔している場所でもあります。
とにかく食べてばかりいたので。笑
「暗幕のゲルニカ」では、
主人公の八神瑤子がMoMAで、
ピカソの名画
「ゲルニカ」
を展示しようと企画し、
そこからピカソの時代と
交差しながら物語が進んでいきます。
私は「ゲルニカ」を実際にまだ見たことは無いのですが、ピカソの絵画は美術館で見たことがあります。
なんとも言えない居心地の悪さを感じる絵もあれば、素直に面白いと感じられるものもあり、あれだけ多くの作品を残しているピカソならではだと思います。
「泣く女」
これはピカソの恋人であった
ドラ・マールをモデルに描かれたものです。
私はこの作品が好きで、
なぜ好きかと言われるとよく分からなかったのですが、「暗幕のゲルニカ」を読み、
事実なのかフィクションなのかという世界に入り込むうちに、この作品が心に残る理由がわかったような気がします。
そういった意味でもこの「暗幕のゲルニカ」は
私にとって大切な小説の1冊となりました。
最愛の夫をなくしながらも、
様々な人々に救われ、しかも異国の地で、
女性であるということをもろともせず、
とにかく前に進み続ける姿には
力強さと美しさを覚えました。
先日「風の谷のナウシカ」を見て、
ナウシカにも同じような印象を受けました。
自己犠牲。自分よりも、自分の大事なもの、信じるもの、守りたいものをまず第一に考え、全てはそのための行動。
「風の谷のナウシカ」のラストシーン。
金色の草原を青い服を着て歩くナウシカ。
あまりにも有名ですが、
やはり宮崎駿監督の言うように、
宗教的な印象を受けざるを得ない。
「暗幕のゲルニカ」のラストシーン。
主人公、八神瑤子にそのナウシカの姿が被り、強く、逞しく、自分で道を切り開く女性には、普通ではない輝きがあるのだと感じました。
なかなか簡単に、そんな女性になりたいとはいえません。しかし、憧れ続け、心の中に、頭の中に、いつも彼女達がいることで、きっと私の助けになってくれると思います。