
書道未経験デザイナーの筆文字ロゴの作り方
▷はじめての筆文字ロゴ
今回は、書道は小学校の授業くらいの私にとってもはや奇跡レベル(笑)なくらいかっちょよくできた「筆文字ロゴ」についてご紹介させていただきますね〜!
まず、完成品は↓こちらになります。
こちらは、六本木にある「かき心(かきしん)」様という飲食店のお仕事でした。
2016年5月に作成したものなので、入社して1年半くらい経ったころですかね。24歳のときです。
当初、「え!筆文字ロゴもグラフィックデザイナーが書いちゃうの?!プロの書道家さんじゃないの?!」と衝撃をうけました。
「いいから聞け」と、師匠からデザイナーの筆文字ロゴの生み出し方を教わりました。
〈 私が学んだ筆文字ロゴのプロセス 〉
① 世の中の筆文字の中から参考を集める。
② ①を参考に書く。(一文字ずつでOK。難しかったらパーツをバラバラでも。)
③ ②から選りすぐりを集め、Photoshopで調整する。
④ ③をillustratorでバランス見ながら微調整して「ロゴタイプ」の完成。
では、一つずつ詳しく説明していきますね!
▷プロセス①世の中の筆文字の中から参考を集める。
まず、一発書きの洗練された筆文字は、書道家さんにしか生み出せません。(そりゃそうだ)
なので、グラフィックデザイナーに求められることは、「いかにそれっぽく作るか」でした。
なんとなく、「一発書きじゃない筆文字ってなんかズルしてるみたいで腑に落ちない。。」みたいな印象だったんですが、すぐに吹っ飛びました。
お客様のご希望は、「かっこよく」「品良く」ということでした。
牡蠣を専門に扱う飲食店で、ちょっと高級感もあり和風な感じ。
そういう雰囲気の筆文字ロゴを集め、文字単体でステキ!って思う筆文字の「か」「き」「心」をリストアップしました。
この時点で、ふわ~っと完成イメージが出来上がってきます。
それらをもって師匠に方向性の確認をします。
ここで方向性を確認しないで自己判断で突っ走ってしまうととても大幅なタイムロスになりますし、なにより自信をもって気持ちよく制作を進めることができません。
「これであってるかな…」「ちょっとわかんなくなってきたな」と迷いが出てきたときはしつこくこまめに方向性の確認をすることが大事です!
GOいただいたので、いざ、書道の時間に入ります・・・
▷プロセス②プロの文字をお手本に、筆と墨で書く。
筆と墨と、なんと半紙ではなくコピー用紙(しかも印刷後の裏紙!笑)を用意して、
プロの文字をお手本に書いてみます。
はい、全然書けません。。
実際わたしの書道経験なんぞ、小学校中学年止まり…?の授業くらいでしかありません。。
ぶさいくな文字しか書けなくて途方にくれてたので、
「私は書道家…」と自己暗示をかけてみることにしました。笑
そしたらこれが結構効果あったんです!!
何回か書いてくると、かすれ具合こうしたいなとか、これのここはいい感じ!とかなんとなく希望が見えてきます。
こんなとき、師匠②がぷら〜っとのぞいてきて、「お、これうまいじゃん」とか気まぐれで言ってもらえたりすると、単純な私は「お、そうなんだ、これうまいんだ。よっしゃ!」とやる気がでます。
(師匠②とはなんぞやという方は、こちらをご覧ください^^笑)
そうしていくうちに、もや〜としていた完成イメージがパッとしました。
それから、掠れとかはらいとか不自然な感じにならないように気をつけながら、書きたい文字を書いていきます。
この時、③の工程でPhotoshop様の力で補正できるように、パーツ用の掠れとかはらいとかも書いておきます。乾くのを待ちながら、選びます。
▷プロセス③選りすぐりをPhotoshopで調整する。
デザイナーの武器、Photoshop様のおでましです。
完成イメージを浮かべながら、いい感じになるように微調整していきます。
(この②から③の工程を写真に撮って残しておけばよかったです…><!)
不自然なところは自然になるように手を加えます。
場合によって、いいところどうしをつぎはぎしたりもします。
「か」「き」「心」が出来上がったら、illustratorに配置して④へ進みます!
▷プロセス④illustratorでバランス見ながら微調整。
ここからは、普通のロゴタイプデザインと同じ感じですね。
必要な文字(か・き・心)を用意して、その他の要素(この場合「六本木」と英語表記、印鑑マーク)を配置し、バランスを見ながら調整していきます。
この作業のとき、縦バージョンと横バージョンがあるのですが、バランスを取るのがむずかしくて苦戦しました。みかねて師匠が修正してくださいました。
「六本木」は、筆文字フォントの打ち文字をトレースしつつ少しアクセントを足す感じで書いた気がします。
ちなみに↓この印鑑マークも作成しました^^
このマークを入れようと思った理由は、
落款印のように赤がポイントで入ることでグッと締まるし、2割り増しにカッコよく見える気がするからです^^笑
牡蠣の「蠣」を印鑑みたいになるように作成しています。
作り方は、まず鉛筆でラフ画を書いてそれをトレースするようにパスツールでかいていきます。
アウトラインはブラシツールの木炭をほそーくつけてにじみのようにし、所々がかすれるようにマスクでグランジ加工をかけています。
グランジ加工については、「スタンプ風」とかでネットで沢山上がっているので、その中で好きなやり方を習得すればいいと思います☆彡
めちゃめちゃ使う加工法なので覚えておくと便利です!
(でも最近のデザインではあまり使わないですかね・・・?)
はい。とまぁこんな感じで出来上がりました^^
人生で初めて世に出たロゴが、こちらの筆文字ロゴでした。
これと合わせてロゴマークも作成させていただきました。こちらも我ながらとてもお気に入りなのです。。笑
そのほかショップカードもありますので、この2つは次の記事でご紹介させていただきます!
▷まとめ
長くなったのでまとめます!
ポイントは、
・方向性を定める
・世の中のものを参考にしてイメージを固める
・「私は書道家・・・」と自己暗示をかける
以上になります!繰り返しますが、自己暗示、大事です。笑 思い切りが足りないとふにょふにょのラインになってしまいます。自信持って書いてみてください☆彡
▷ さいごに
かき心さん、なんだかんだでまだお店に行けてないんですよね。。とても失礼ですよね><
師匠と行こう行こうと言っていたのですが。。
今でも繁盛されており、芸能人の方も沢山いらっしゃっているみたいで、
なんだかもうすごいです・・・
そもそも私が行けるようなお店ではないんじゃないかなと恐れ多いですが、
自粛期間があけたら師匠にお声がけして食べにいきたいです。
・・・あとすごく言い訳みたいになっちゃうんですが笑、牡蠣にまつわるとわるエピソードをひとつ。
3、4年前くらいに函館旅行に行ったんですね。(ちょうどこちらのロゴ作成させていただいた頃、、)
そのとき食あたりにあったんです。今のところこれが最初で最後なんですが、それが牡蠣だったんですね。
自分で焼くタイプのやつでした。これ危ないらしいですね。
しょっぱなであたってしまったのでそのあと何にも食べられず。。。
ちょっと奮発した部屋食の蟹御前も全然食べられず、夜は発熱するしで、ホテルの受付の方にお薬いただいて、ずっとお手洗いにこもっていました。。
次の日、もう友人に迷惑かけたくないので、1人で行動するから気にせず楽しんでおくれといい(4人旅行でした)、お手洗いが確保できる場所で腹痛と戦いながらぼーっとしてました。笑
でも友人たちは皆優しくて、しばらくしてから合流し喫茶店でずっとおしゃべりしてました。申し訳ない。そんな函館旅行でした。笑
食あたりってこわい。。
それから牡蠣がしばらく食べれなかったんですが、もう今では生牡蠣やっぱり大好き!に戻ったので、もう、絶対いきます!!
話をそらしてしまいすみません^^
写真でしか拝見したことないのですが、入口ののれんとか看板に、このロゴやマークがあるんですよね。やばいですよね。(HPから画像拝借します)
トータルコーディネイトではない限り、ロゴを作ったらお渡しして、それから先はお客様と業者さんになります。
飲食店さんなど、世に出るロゴを作成させていただく機会なんてとっても貴重なので、ウキウキドキドキで看板をみに行くと、、、あれ!なんか想像と違う、、ということが、ごくごくたまにあったりします。
でも、かき心さんはすごくステキに展開してくださってて、本当に嬉しいです。
前の職場に入って、こちらのロゴを担当させていただけた巡り合わせに感謝です^^
最後はすごく個人的な感想になってしまってすみません。。笑
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次の次は、タイポグラフィとか紹介したいなと思っています☆彡