読書記録86 2024年12月の本まとめ

あっという間に大晦日です。家族が風邪で倒れ、いつも以上に「師走」な年末でした

今年最後の本まとめです!

毎月惰性で読後に書き溜めた感想をコピペするだけのnoteを更新していますが、自分にとっては読書のマイルストーンになっています。

来年から社会人で読書できなくなりそうな本を今月読みましたが、自分のペースで本と出会っていきたいです。

1.『赤と青のガウン』(2024)彬子女王

オックスフォードの留学記で、とても読みやすかった。ちょうど修士論文が佳境を迎えているので、英国で博士号までとった女王の体験記は背中を押された気分になる。完璧主義で心配性なところに僭越ながら共感し、「やっぱり大変だけど、その中で楽しみも見出せるからやっていけるんだよな」と改めて思った。

2.『休養学』(2024)片野秀樹

読んだそばから書かないとどんな話だったか忘れてしまう。土曜日に手帳を開いて、次の1週間どれくらい体力が必要そうか考えて休もうというアドバイスはすぐ取り入れることができそう。休むとはただベッドでぼーっとすることだけでなく、何種類もあることが知れたのはよかった。人と喋ることや運動することも休養になるということは、「同じ気分でずっといない」ことが重要なのではないかと思う。「〇〇しすぎ」は悪である。

3.『愛がなんだ』(2003)角田光代

マモちゃんという男性に全身全霊なテルコが主人公。誰かにおすすめされた本(映画)で、いつか読もう(観よう)と思っていた。テルコのマモちゃん一色の生活にギョッとするものの、「絶対ありえない」と全て突き放すことはできなかった。一途すぎてこんな状況になることもあるかも知れないなと恐ろしくなりながら楽しく読んだ(聴いた)。

4.『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(2024)三宅香帆

「全身全霊で仕事100%はやめよう、半身で働こう」という主張にとても共感したが、「ではどうしたらそういう仕事の仕方にできるのか?」が難しいと思った。会社に入ってしまえば、その空気感や慣習に従わざるを得ないのではないかと思う。静かな抵抗を進めることはできるのだろうか。

5.『ぼくとねこのすれちがい日記』(2021)北澤平祐

イラストレーターの著者とねこのホワンホワンお話。同じ場面を著者と猫のそれぞれの視点で書いていて、猫の無邪気さに癒される。見開きのイラストと文章が交互に繰り返すので、読んでいて飽きない。

6.『おつかれ、今日の私。』(2022)ジェーン・スー

Audibleで一通り聴いて、引用したい言葉がたくさんあったので図書館で借りた。聴いた方が記憶に残るのだけど、文字を目で追うのもまた違う読書体験になるので、こういう読み方(聴き方?)もいいなと思った。ちょうど悩んでいたことにバッサリと回答を得られてたような気がして、勇気が持てる本だった。

7.『百年と一日』(2020)柴崎友香

なぜかずっと読みたい本リストに入っていて、もはやどこで知ったのか思い出せない。短編集で、タイトルが内容の要約になっているという不思議な構成。多和田葉子の短編集のように、読み終わると投げ出されてしまい、「え、何だったの今の」という気持ちになる。タイトルの通り、時間が色々な速度で流れていって、あっという間にどこかへ連れ出される。

8.『三体』(2019)劉慈欣

うわあ!面白い!と完全に言うには、基礎科学の知識が欠落し過ぎている。ただ、(文系理系の当てはめは良くないかもしれないが)ド文系の私でも引き込まれぐんぐん読めたので、もっと知識があれば圧倒的に面白いのだと思う。Audibleと紙の本で交互に読むという新しい読書方法を採用してみたが、Audibleのクールな音源が世界観をひき立て、そのテンションで紙の本も読めたのでとても良かった。続きが気になるがあと4巻と思うと結構な覚悟が必要なので、修論が終わったら読もうと思う。

9.『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』(2024)谷川嘉浩

「衝動」が何でないか、何であるかを非常に丁寧な運びで論理を繋いで説明している。論文ぽい構成で読みやすかった。
HOWTO本ではないので、「どうやったらいいのか」を知りたい人には物足りないかもしれない(自己啓発本だと〇〇をノートに10個書き出そう!とか実践編があるが、そういうのはあまりない)。が、小手先テクニックよりも「衝動」に対する理解が深まることが回り道に見えて一番意味があるのだと思う。そういう理解を深めるのにはぴったりな1冊だ。

10.『考える人のメモの技術』(2022)下地寛也

日頃何でもノートに色々なことをメモして「書く」ことが大好きな私ですが、メモしたきりであまり活用していないのも事実。インプットメモとアウトプットメモの区別を知れたのが良かった。あと余白をあらかじめ意識してメモするのも発見。

11.『夜を乗り越える』(2016)又吉直樹

ちょっと読みにくかったけど、又吉が喋っているのを聞いている感じがする文章だった。本を読むことについて色々考えたことが詰まっていて、本好きとしては面白い。本に「共感」はいらないというところが朝井リョウのエッセイと通ずるものがあって、若林と又吉と朝井リョウは仲良さそうだなと勝手に想像する。(敬称略)


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