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スクリーンタイムが害をもたらすのではない
動画サイトやゲームなど、子どものスクリーンタイムに悩む親は多いのではないでしょうか? 私の子ども(小学生)も放っておくとすぐに磁石のようにスクリーンに引き寄せられています。(自由エネルギー原理かしら?)
乳幼児に1日1時間、早期教育ビデオを見せた結果、脳の言語を司る部位が萎縮したという話などを聞くと、ビデオの電磁波か何かが脳を萎縮させたかのように聞こえ、親が禁止したり、制限したりする必要を感じるかもしれません。
これを受けて、私は子どもを呼んで、(というか動画を見ている子どもを中断させて)知っている脳科学や認知発達の知識を総動員して、脳が健全に成長するために大切なことを説明しました。
スクリーンはいろんな面白い情報をもたらしてくれること。
スクリーンそのもの自体が害なのではないこと。
脳には感覚を受容する部位(手や目や耳や鼻や口に対応する部分)がそれぞれあること。
動画を見ている時間は体を動かしていないこと。
動画を見ている時間、他の脳や体の部分を使う機会を奪っていること。
脳のや体の一部しか使っていない状態が長く続くことが問題であること。
使っていない部分はなかなか成長しないこと。
情報をインプットするだけで、使わなくては意味がないこと。
(きっと動画サイトで得た情報、ゲームなどは創造性や友達と楽しく過ごすことに使われているはずです。)
質の良い食べ物が体を健康に成長させるのと同じで、質の良い情報を選ぶことが心の成長に大切だということ。(ジャンクフードやジャンク映像ばかりだと栄養や考えが偏ってしまいますね。)
インプットしたものが、脳の思考の材料となり、特に成長期の子どもの思考や価値観、アイデンティティを作っていくこと。
アウトプット(考えたり試したり)することが学びに大切なこと。
アウトプットにもいろんな脳の部位や体の筋肉を使うこと。
アウトプットして得られる反応からいろんな事を学ぶこと。
だからインプット(目も耳も鼻も口も体全部を使って感じること)とアウトプット(実際に体を動かすこと)を循環させるほどたくさん学び、賢くなること。(感覚と知覚を循環させることです。)
だから人や自然などの本物の世界とたくさん遊んで関わることがとても大切なこと。
子どもの健康、ウェルビーイングは、子どもにとっても、私にとっても大切なこと。
以上のようなことを図解で説明しました。子どもになぜ動画を何時間も見てはいけないのか理解してもらい、リマインドし続けることで、内的動機を育み、自制心や自己コントロールも学んでもらいたいと思います。
親がスクリーン以外の機会を与えたり、環境を整えることが大切なのは言うまでもありませんが、スクリーンタイムを悪の根源のように騒ぎ立てるのは筋が違う様に思えます。一方的に親が取り上げたり管理するのは子どもの自主性、自立心、エージェンシーなどの大切なスキルを学ぶ機会を奪うことになります。上手にガイドするのはなかなか難しいことですが、、問題の本質を理解し、スクリーンタイムを欲する子どもと上手に関わっていけたらいいなと思います。