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haru_lifelog
たくさんの幸福な夜と昼の記憶
『新版 いっぱしの女』 氷室冴子:著 筑摩書房(ちくま文庫)
生きづらい女のあれこれを書いたエッセイです。セクハラという言葉が世間に出始めた頃、いっぱしの年齢・30歳を迎えた氷室さん。氷室さんからみた、女の人に起こる社会での違和感に関して、鋭く書かれていてスカッとします。名作エッセイの復刊嬉しいです。
○今日の好きな言葉
-ちょっとした風や雨の匂いなんかに、好きだった“感情”がなまなましく甦ってきて、涙ぐむことがある。相手の顔なんか、とうにボヤけているというのに。- 本文より
氷室 冴子(ひむろ さえこ)
1957年北海道岩見沢市生まれ。『さようならアルルカン』で第10回小説ジュニア青春小説新人賞佳作を受賞しデビュー。集英社コバルト文庫で人気を博し、多くの作品を出版する。2008年逝去。