新小売革命とは何なのか?
昨日までシャオミ、フーマー、コストコの小売事例を見てきました。
これらの事例から分かる新小売革命とは一体どういうものなのか?
本の内容と照らし合わせながら、個人の見解についても書いていきます。
小売革命に欠かせない3つの思想
本のまとめに以下の3つの思想について書かれていました。
・進化思想
・本質思想
・システム思想
「進化思想」については
ニューリテールは未来にしかない、という考え方です。
小売の本質はあれど、それは時代とともに形態を変えています。
昔はオフラインが主流だったのが、オンラインが主流になりつつある昨今
昔のオフラインが主流だったのはニューリテールではなかったかというとそうではない。
その時代に合わせて未来を描くことが大切、ということですね。
「本質思想」については
小売の本質である「人と物を繋ぐ場所」、
そしてその場所には
金の流れ、情報の流れ、物の流れがある、ということを理解することが大事である、ということです。
「システム思想」とはステークホルダー間の取引構造を理解することが大事だということです。
システムを理解することで小売の最適化を測ろうとする考え方ですね。
ユーザー側に立つ
コストコやアマゾンなどもそうなのですが
ビジネスモデルは違えど、ユーザー側に立った小売のシステムとなっています。
今までの小売はメーカー側に立って、仕入れた商品を売る形が一般的でした。
それが近年では顧客満足をいかにあげるかを第一に考えたモデルが主流となっているので、
小売革命の一つに「脱メーカー依存」というところが挙げられます。
これは昨今言われている「レストラン型」から「BBQ型」への移行と似ている部分があります。
レストラン=メーカーが作った物を、好んで買うというよりは
一緒になって作っていく方にお客さんはより価値を感じるようになってきているんですね。
小売業界も原理原則を理解し、その中でお客さんの満足を高めることに対しての効率化をどんどん図ることが重要であると思います。
体験型店舗
シャオミやフーマーのように、オンラインを主流として戦うには
オフラインは必要不可欠な存在であることがわかりました。
ここから言えることは
オフラインの店舗は「体験型店舗」にシフトしていくことが必要であるということです。
実際に見て、触って、感じるということはオフラインが圧倒的に強いです。
いかにしてオフラインで信頼と安心感を獲得するか、それには店舗を体験の場として設計していくことが今後必要になってくると思います。
共同経営モデルから家賃モデルへ
百貨店などがそうなのですが、テナントの売上の何割かをマージンしています。
これは在庫を持たないモデルで、昭和の時代はこれで生き残れたのですが
先述したようにオフラインは体験型になっていきます。
そうなると店では売れない、というか頑張って売ろうとはしなくなります。
そうするとこのモデルは破綻していくんですね。
それに対してショッピングセンター(SC)は家賃収入モデルとして
場所をテナントに貸しているので、売り上げの管理はしていません。
なのでSCとしては、いかにSCのブランドをあげて顧客に足を運んでもらうか、が重要になり、そこに注力することができます。
なので、今後は共同経営モデルは縮小していき家賃モデルが主流になっていきます。
個人の見解
百貨店業界に身を置いている私からすると、この本に書いてあることは
かなりためになりました。
小売の本質である「場所」という観点を持って
いかにその流れを最適化していくのかを模索していく必要があると思います。
昨今デジタルトランスフォーメーション(DX)がバズワード的になっています。
だからと言っていきなりデジタルありきで進めてしまうと、ほぼ確実に失敗すると思っています。
結局は「効率化を図るための組み合わせ」なので
その一つの実現方法としてテクノロジーやデータを使う、といった考え方でやっていくことが重要なのでしょう。
今後施策立案の場などあれば、この思想は常に頭に入れて俯瞰して見ていきたいと思います。
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