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 木製のパズルやゲームの開発に熱中して Development Story of Wooden Puzzles & Games (第2話)

第2章 トランプ大統領(前)にあやかって、トランプゲームを木の駒で

 1、トランプタワー(ジェンガとトランプゲームの合体ゲーム)の開発 

       1)、ドミノトランプタワー
           最初に思いついたのはヨーロッパで古くから親しまれているドミノゲームとトランプゲームを組み合わせた駒でバランス積み木(ジェンガ)もできるようにすることだった。
    ドミノゲームはサイコロと同じ1から6のサイの目と何もない0を中央を仕切って2つずつ配した牌を、同じ数の目を合わせて並べていくゲームである。
 このサイの目をトランプのスート(マーク)に置き換えてもドミノゲームはそのまま同じルールでプレーできる。
 何もない0はスートの中に0を記入して、トランプゲームでは10のランクとして使う。  
    駒の形状はバランス積み木ができるように厚さ10mm、長辺の長さ60mm、幅30mmとした。
駒の数は54枚で、そのうち、28枚はドミノゲーム用で中央を線で区切っている。これらはトランプゲームでも使われる。
 残りはトランプゲーム用の7~13のランクの図柄とジョーカー2枚である。
   トランプゲームの遊び方は駒を横向きに立てて、4~5個を1段として交互に高く積み上げる。出来たタワーからタワーを崩さないように、メンバーが順番に駒を抜き取って手札とする。必要な手牌の数に達したら、不要な駒はタワーの最上段に積み上げていく。
 例えば健康ポーカーゲームでタワーを崩した場合は手札が5枚に達していたらその時点でオープンとし、崩したメンバーは最高役でなければ最下位となり、残りのメンバーで役の強弱を競うことになる。
 駒は長方形の表面を2分割し、2組のトランプセットの2種類のトランプ図柄を長手方向の両端面が上側になるように配置してどちらか好きなほうを選べるようにしているので、年少者や高齢者でも役をつくりやすい。
 このようにカードのようなシャッフルも行う必要もなく、様々なトランプゲームを楽しむことができるし、ドミノゲームやドミノ倒し、バランスゲームが一つの遊具で遊ぶことができる。

(ドミノトランプタワー)

        2)、ダブルトランプタワー   
            前項のドミノトランプタワーで孫たちと遊んでみたら、健康ポーカーゲームが大人気だったので、ドミノゲームをはずしてトランプ図柄を統一して製品化した。 
   ヒノキ材の駒の形状は安定して駒を立てられるように厚さは12㎜とし、幅30㎜、長さ70㎜とした。
   長方形の表面を2分割し、2組のトランプセットの2種類のトランプ図柄を長手方向の両端面が上側になるように配置してどちらか好きなほうを選べるようにした。 
   また、図柄のデザインはスートの中にランク(数字またはアルファベット)を配置し、各駒のランクとスーツの組合せがすべて異なり、絵札(J,Q,K)が同じ駒に2つにならない組合わせは1つしかない。ジョーカーの一つはTRUMPとしたがジョーカーと同じ働きとしてもよい。

(2デッキトランプの組み合わせ)

    ダブルトランプの特徴はポーカーの場合など大きい役が作りやすいことの他に、他メンバーに見られても支障が少ない点で、タワーから取り出す時にも、年少者や高齢者にも都合がよい。 駒は幼児の口に入りにくい大きさなので、ドミノ倒しや積み木遊びにも適している。 これらはレーザー加工にも適しているので自作して販売している。 以上2点を含めて特許出願し、公開中。 特開2019-000326


  

(ダブルトランプタワー)

2、正多角形トランプゲームの開発

   1)、キューブサイコロトランプ
  「脳が育つ、よみがえる」というキャッチフレーズで、年少者から高齢者まで家族みんなで楽しめる木製のパズルやゲームを開発してきたが、今回ご紹介するのは正多角形サイコロトランプである。
 初めに思いついたのはサイコロの各面にトランプの図柄を描いて、転がして遊ぶことだった。トランプの図柄の種類はジョーカー2枚を入れて54種類だから、サイコロ(立方体)は6面なので9個必要だ。3cm角のヒノキのキューブで試作してみた。
 図柄はインデックスを図案化し、ダイヤ(♦)は6と9を判別できるようにスター(★)に変更し、ジョーカーの1つをトランプ大統領(前)にした。レーザー加工で輪郭を印字してアクリル絵の具で色を付けた。キューブサイコロトランプの完成である。 
 【例】健康ポーカーゲームの遊び方
①  一度に9個を振って、任意の5個を選んで役を作り、スコア票に記録する。
②  または、任意の5個を選んで振り、不要な個数を選んで2度まで振り直す。

(キューブトランプセット)

         2)、正12面体(ドデカヘドロン)トランプゲーム
   上記のキューブ形状では9個必要だが、正12面体にすると5個でできることになる。
 ネットで探してみると約5cm直径のヒノキ製の正12面体が教材として1社だけ製造販売されていた。
 さっそく5個購入してみると1辺が約2cmの正5角形が12面でぴったりだった。
 問題はコストで、1個500円で五個では送料を含めて3000円を超してしまう(現在は1個1000円送料別になっている)。
 また、レーザー加工も形状上コストが高くなってしまう。
 そこで、他の製品を生産委託しているタイ国のブルーリボントイ社に正12面体の試作と、シルクスクリーン印刷の生産委託を打診した。
 正12面体の試作は初めは寸法精度が悪かったのだが、3度目の試作でOKレベルとなり、見積り額も日本での半分程度となったので生産委託することにした。
 木の材質は加熱強化天然ゴムの木芯材(エコ製品)である。
 印刷インキは米国の安全基準と欧州のEN-71安全基準に適合している。
 正12面体を5個では合計60面体となる。
 トランプの図柄は52種類なので、ジョーカーをやめて、スートだけ(♥、♣、★、♠)4面(ランクは任意)とランク(J,Q,K,A)だけ4面(スートは任意)を追加した。       
【例】健康ポーカーゲームの遊び方
① 一度に5個を振って必要な個数を残し、不要な個数を2度まで振り直すことができる。
② 作った役の得点を役の得点票でみて、スコア票に記録する。
 以上2点を含めた特許を出願し公開中。特開2019-000327。

(ドデカトランプ)

            3)、手作り本革ダイスカップ
    アトリエの斜め向いが鞄工房で、皮を輸入して、なめし、塗装なども行なわれている。
 たまに厚手の本革の端切れができたら譲ってもらい、手作りの木型に巻いてダイスカップを作っている。

(キューブトランプとダイスカップ)
(ダイスカップ製作用品)

 3、木製正12面体の販売
   教材用の木製正12面体は高価なので、タイ製の加熱強化天然ゴムの木を素材とした無垢の正12面体を販売することにした。
 大きさは高さ約40mmと大きめだが、用途としては1から12のサイコロや各面にイラストを描いたストーリーメイクサイコロなどいろいろ工夫してみてください。
 BASEの moriarts 店で、5個で送料込みで2200円などで販売しているので覗いてみてください。

(タイ製正12面体)

   (第3話に続く)




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