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雨の日は詩の暗唱を
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紹介する絵本
めのまどあけろ
作/谷川俊太郎、絵/長新太、福音館書店
雨は子育ての大敵?
子育ての大きな敵と思っているのは、雨。
保育園の送り迎えの難易度は爆上がり。週末に降ろうものなら、「今日一日どうやってすごそう?」と頭を悩ませています。
今回はそんな雨の日を、わが子が一瞬で感動の日に変えてくれたお話です。
リズム感に親がハマる
朝起きてから寝るまでの生活を、リズミカルな散文詩で表現している絵本です。
1981年刊のロングセラー絵本ですが、私は最近図書館で偶然見つけ、手に取りました。
読み始めてみると、そのリズム感に私の方がハマっていて、連日、寝かしつけ絵本のラインナップに入れていました。
雨の日のお出かけ奮闘記
そんな中で迎えた雨の週末。用事があり、子どもと二人でお出かけしました。カッパを着せたにもかかわらず、わが子は「おかあさんが傘持つの!」(←傘をさせ)と要求。
やむなく、私は半身を雨に湿らせ、腰を折り曲げながら、必死でわが子に傘をさして歩いておりました。
予想外の詩の暗唱
そんな時、傘から落ちた雫が子どもの顔にピチョン!
すると突然わが子は「おでこがおかに あめがふる」と絵本の一節を口にするではありませんか!
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突然のことにびっくりしつつも、
「はなのやまにも あめがふる」と私が続けてみると
「たおるでふいたらあおぞらみえた」
!!!!!!!!!!!
これは…詩だ…! 詩の暗唱だ…!
わが子も、「通じた!」というような喜びの表情でにこにこ私を見返していました。(たぶん夫と二人の時だったら、夫は子どもが何を言ったのかよくわからなかったと思う)
「私たち」の特別な瞬間
四十年以上読み継がれているベストセラーですから、読者は何十万、何百万人といて、何億回と読み聞かせをされていて、数え切れないほどたくさんの素敵なエピソードが誕生しているに違いありません。
それでも、雨降りという目の前の状況と、耳で覚えていた言葉のリズムが合わさって、小さな口から詩の一節が飛び出してきたこと。そしてそれに気づけた私がいたというあの日あの時のあの瞬間、この詩は「私たちのもの」になった感じがしました。
読み聞かせの先に実った、宝物のような瞬間です。
そんな「サプライズ」があってからは、雨が降るのもちょっと楽しみになった自分がいます。
今回紹介した絵本はこちら👇
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