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ミッシング・チャイルド・ビデオテープ

途中まで観ていて「最近の(と言っても一部しか読んでいないが)角川ホラー文庫みたいなノリだな~、原作がそれなのかな?」と思っていたら、原作は無いにしろ(今時珍しい!)角川の配給だった。

最近の角川ホラー文庫(しつこいけど、一部しか読んでない)は、ミステリー色が強い気がしている。
そしてこの映画についても、途中まではミステリー小説の様なノリを感じたのです。
主要人物の一人、つかさっていう男性が霊感強い設定なんですね。多分このつかさと新聞記者がバディになって、霊媒探偵みたいな事をして、事件解決!お化け退治!みたいな…そういう流れであろう、と予想したのです。
最近の角川ホラー文庫、だいたいコレじゃないですか(何度も言うけど、一部しか読んでいない個人の感想です※)

しかし、違いました。これはミステリーではなかった。じゃあ何だと言われたら、ホラー映画…になるんだろうな。
こういう類のホラー映画は久しぶりに見た気がします。
と言うのも最近、ホラー映画と言えばハリウッドのアリ・アスター、「胸騒ぎ」「孵化」といった北欧ホラー、そしてジャパンホラーといえば黒沢清「chime」、白石晃司「戦慄怪奇ワールド」「サユリ」しか観ていなかった。

アリ・アスターや北欧ホラーは、サイコホラーつまり人怖が核である事が多い気がしますが、ジャパンホラーは霊の不気味さが見どころになっている、そんな傾向があると思う。
黒沢清はサイコホラー寄りかと思うので、日本のホラー監督としては珍しいタイプかもしれません。

白石晃司は幽霊モノ担当ですが、不気味さが無いんですよね。そして、怖くない。それ故に受けた。
ホラー映画なんて、好む人はそういるもんじゃないし。作っても、金になり難い。なので、怖くないホラー…即ちドタバタコメディお化け退治とか作った方が受ける。
白石晃司の作品は、簡単に言うとダンダダン、要は少年ジャンプという印象。
今の日本、どんな映画が最も金になるかというと、それは子供受けする作品だと思います。だから少年ジャンプ的ホラー映画を作る事で、白石晃司は成功した。

角川ホラー文庫も、最近はそういう…白石晃司的ノリなので(一部しか読んでいない個人の感想です)
当然、今作もお化け退治路線(+探偵)かなー?と予想していたら

演出がどんどん清水崇の様になっていき…そして、不穏なラスト。

清水崇と言えば…子供の頃に観た「学校の怪談」というドラマで「トイレの花子さん」が、いまだに忘れられない。
あの、徐々に背後から近付いてくる、正体不明な存在という演出が非常に良かった。

そして不穏な、謎の残るラスト。
謎が残るのだけど、何となく察せられるので、もやもやしたまま終わる事が無いのが良い。

後から知ったけど、清水崇が制作に関わっていた。どうりで!
こういうホラー映画、今後もちょくちょく作られてほしいですね。




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