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たかが結婚指輪、されど結婚指輪

婚約指輪について書いたので、結婚指輪についても書かねばなるまい。

当時の私の結婚指輪に対する認識は、「ただの金属の輪っか」。あんなに情熱を燃やしていた婚約指輪に対して、この結婚指輪に対するやる気のなさ。

それはなぜかと言えば、私が好きなのはダイヤを始めとする宝石であり、基本的に石をつけない結婚指輪には食指が動かなかったから。石もないのに何万~何十万円もかけなくてはいけないのかとちょっと憂鬱だったくらいだ。そんなに石が好きならば、ダイヤなどの石のエタニティリングにするという選択肢もあったけれど、大き目の石が好きな私としては、小さい石を集めたエタニティをこれまた数十万円出して購入することには気乗りしなかった。

ならば結婚指輪はいらないか?と言われれば、そういうことでもない。指輪なんて何個あってもいいし、夫だって一つくらい欲しいだろう。婚約指輪はありで結婚指輪はなしっていうのも、面白くはあるけれど。

そんな私が苦肉の策として考えついた結婚指輪の条件は、以下の通り。

・色はイエローゴールド
・素材は24金

まず色は、私が基本的にゴールドが好きだったため、色については最初から決まっていた。夫の方はと言うと、こだわりなんて全然ないけれど、「人と違う」ということは好きだったため、大多数がプラチナを選ぶところゴールドを選ぶということには賛成していた。

あ、「夫と完全にペアにするか問題」については、私たち夫婦はあまりこだわらなかった。互いに気に入ったものが同じならば完全ペアにすればよいし、違えば別でも良い、ぐらいに考えていた。ブランドぐらいは揃えたいと思っていたけれど。

さて、話は戻って私のこだわり2点目、「素材は24金」という条件である。
こだわりが全くないといいながら、結局世間ではかなり少数派な「24金」という条件を設定した。24金とはつまり、純金である。一応補足しておくと、金と言うのは純金のままだととても柔らかく日常使いには向かないため、大抵ほかの金属とまぜてジュエリーなどに使う。例えば18金は、75%が金で15%がその他金属という意味だ。

ただし、例外的に24金のままジュエリーにすることもある。そうしたジュエリーは、24金は金のインゴット同様、いざという時に換金できる、「身に着けられる資産」として利用される。

私の思考回路はこうだった。

「ただの金属の輪っか」でデザインにこだわりなどないのだから、どうせならいざという時生活の助けになる純金にしよう。

なんと現金な。しかし実用性と資産性を兼ね備えた良い考えにも思えてきた。純金の指輪を扱っているブランドはそうそうないため、ブランドを絞るのも容易かった。

ちなみに純金の色と言うのは、イエローゴールドの中のイエローゴールドで、夫には派手過ぎて「やめとく」とのことだったので、ここで「完全にペアの指輪」というのは立ち消えになった。


先に結論を言うと、ドイツのブランドNIESSING(ニーシング)にした。バウハウスの流れをくむデザインと、鍛造製法で丈夫さが特徴。

決め手となったのは、婚約指輪選び同様、夫が一番気に入ったということだ。夫が気に入ったの点は、ゴールドの種類の豊富さ。

ゴールドと言えば一般的なのは、イエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールドだけれど、ニーシングには「スプリンググリーン」や「サンドグレイ」といったとても素敵な名前が付いた、多種多様な色のゴールドが存在しているのだ。

https://niessing.jp/about_us/colors.html

なので試着はめちゃくちゃ楽しかった。いいなと思っていた色が、実際指にはめてみると自分の肌の色とは合わなかったりした。

最初にニーシングというブランドを知った時のことを私ははっきりと覚えている。結婚指輪を探す段階で初めて知ったのではなく、初めて知ったのは大学生時代だ。場所は新宿伊勢丹。

当時東京の大学生だった私は、新宿伊勢丹をぶらぶらしてた。ショーウィンドウの中にこれまでに見たことのない指輪をみつけたのだ。それがこちら。

https://niessing.jp/engagement_rings/


それこそ、ニーシングの代表作、通称「テンションリング」だった。その名と見た目の通り、ダイヤをテンション(張力)のみで留めている職人技の光るリングだ。爪がないため、ダイヤがまるで宙に浮いているような不思議な見た目をしている。

大学生だった私は、初めてテンションリングを目にして度肝を抜かれた。「いつかつけてみたいなあ」、そう漠然と思ったこと、そしてブランドの名前を、約10年経ってもしっかりと覚えていたのだ。だから初めてニーシングの店舗を訪れたのは、結婚指輪探しの時ではなく、婚約指輪探しの際、テンションリング目当てにだった。

テンションリングと10年越しに再開、もちろん指にはめてみた。「に、似合わない…!」悲しすぎたけれど、細身な私の指にバウハウス的なデザインのテンションリングは、全くと言っていいほど似合わなかった。結局、自分には観賞用だったのだと思うことにした。

しかし思わぬ副産物が。それが結婚指輪だ。婚約指輪を見に行っていたから、結婚指輪についてはノーマークだったのだが、ここでニーシングに純金の指輪があることを知った。

そうして私が選んだのは、「ピュアピュア」という何ともかわいらしいネーミングの24金リング。かわいらしい名前とフォルムだが、実際に指につけてみると「これぞ金!」と言わんばかりの重さを感じるずっしり重量級マット加工のリッチなイエローゴールドが、他にはなくて気に入った。

ちなみに夫のほうは、「アイボリー」という名の、「温かみのあるイエローとクリアなゴールドが融合したアイボリー色のゴールド(HPより)」を選んだ。

結婚指輪を注文して受け取りまで確か1か月。「出来上がりました」と連絡を受けウキウキ気分で青山に向かい、いよいよ指輪とご対面!待ちに待った結婚指輪は、なんとフェルトの袋から登場しました。「スペシャルな指輪はかっちりとした箱に鎮座しているもの」という固定観念のあった私は、正直「え!」と内心少しだけがっかりしましたが、「さすがエコ先進国ドイツのブランド、結婚指輪であろうと過剰包装はしないのね」とすぐに自分を納得させたのでした。

あれから数年、使っていくうちにマット加工は剥げていき、今はピカピカした質感になっている。ニーシングでは、1回無料でマット加工をかけ直してもらえるけれど、ピカピカな質感もこれはこれで素敵なのでそのまま使い続けるつもり。

・愛用歴:6年


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