オスカルと息子とワタシの濃厚な紅葉狩り
休みは待ってましたとばかりに、家でごろごろが定番の我が家。珍しく土日連続でお出かけすることに。
今日はまちのイベントで日帰りでバスに乗り、庭園に行き写真を撮るという企画に、反抗期真っ盛りの息子と二人で参加。
もともとワタシが一度は行きたいと思っていた庭園だったからね。えーってやっぱり乗り気ではない息子を、なかば無理やり誘った。
朝は8時集合。ぎりぎり7時に起きたので、そこからマッハで準備する。もーおにぎりでいっか、と3人分用意してあわててかっこむ。いつもは遅い息子がワタシより先に完食。「TPOだからね」と昨日2時間かけて朝飯食べてた息子に腹を立て、時と場所を考えてもう飲み込め!TPOっていうんだと使った言葉を使われる。使い方、うまいね。すぐに自分の言葉にしてしまう柔軟な頭に感心しながら、最近の食事の飲み込みにくさを自覚しつつ、準備完了。
5分前行動だからと移動時間も考え、集合の15分前に家を出る。
おばちゃんたちの朝は早い。
予定通り5分前についたものの、おおかた、みな受付を済ませ談笑中。早いよ。
参加費を支払い、簡単な挨拶を聞いた後息子とマイクロバスに乗り込む。
自動車学校への送迎をしているのか、フロントガラスの内側には○○自動車学校の文字が。そうか普段は送迎に使われているのかと、前の座席背もたれ部分を見るとタバコの吸がら入れが。普段学校の行事で乗る大型バスと違い見慣れないものに興味津々の息子。これなーに、たばこの吸がら入れだよ、パカっ。久々目にする吸がら満タン。あわてて閉めて息子に見せないようにしたものの、どんだけストレスフルな自動車学校なんだろうと、ちょっと恐ろしくなったところでバスは出発。
1時間ほどかけて、目的の庭園に到着。
バスに酔いやすい息子も、おばちゃんたちになんやかんやと世話を焼かれ、無事にたどり着くことができた。
帰りは11時50分。今の場所に集合と聞いて各自それぞれ庭園を回ることに。
息子もワタシも行動はマイペースでスローリーなので気づくと、せっかちなおばちゃんたちの姿は見えず。地図はもらったし時間も聞いたし、自分たちのペースで進もうね、と思っていた矢先、「みんなの姿が見えないわね」と木陰からとり残されたおばちゃん登場。くるくるのカール、佇まいが一瞬ベルばらのオスカルに見えた。
「あー本当ですね、」とワタシの妖怪アンテナはびんびん来ている。先を急ごうと息子を見るとあれだけ乗り気でなかった紅葉狩り、オスカルと同じ被写体を一生懸命追い求め、会話に花が咲いているではないか。
オスカルは、昔父のコレクションにあったような本格的なレンズをつけたカメラを首から提げていた。かたや息子はワタシのスマホを逆さにしたり地面につけたりなんだか対抗しだした。めっちゃ、やる気だ。池に落とさないでくれ・・・この戦いは長くなると踏んだ私は、2コースあるうちのショートカットコースを選ぶ。
最後のエリアに着くと、ちょっと先に穴の開いたオブジェが見える。あちらへ行きますか、とあうんの呼吸が出来上がり、私の目もキラキラしてきた頃、私たちベルばら集団の元へ、別のおばちゃん軍団が合流。こっちいらっしゃいと半ば強引に引き離され、ここで3人だけの紅葉狩りが終わる。
「あなたセンスあるわよ、お名前は?」どこをどう見てそうジャッジしてくださったかはわからないが、最後にオスカルからなんだか重みのあるお褒めの言葉をいただき、遅い自己紹介をして庭園を後にする。旅は道連れ世は情け。普段一緒にならないような人種、オスカルと息子とワタシの紅葉狩りは思わぬ化学反応をみせた。