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ごろねだ的世界観
昨日は午後から封入作業を行った。
午前中若者からお年寄りまで、わちゃわちゃとした仕事から一転、黙々と行う単純作業へ。正直申し上げます、単純作業、単純でスキ。まあ、人とのかかわりも同じくらい好きだけど、そればっかりだとなんだか気疲れしてしまうし、だからといって単純作業だけだと肩が凝ってしまう。ワガママだ!とXJAPANのTOSHIばりに夫からシャウトされようと、事実なんだからしょうがない。だから今日の仕事のバランスは精神的にもちょうどE。
封入作業は初めてだったので、担当から決まり事をひと通り聞いて始めるも、これがなかなか名前と違い単純ではない。もちろんお忙しい皆さんには、単純でどーでもいい作業かもしれないが、きちんとやろうとすると、苦戦を強いられる。
しかも担当の方の血液型は致命的A型。余計に気を使う。他の人から担当が席を外している時に「この間ポスター掲示の時に、たくさんあったからどの形の鋲でもいいかと思って形を変えたら、決まりがあったらしく注意を受けました」と恐ろしいことをささやいてくる。ちょっと宛名のシールをはがす指先が震えてきた。…老眼だな。
そんなこと言って油を売っていたため、宛名はどこに貼るのかという、大事なことを聞き忘れた。担当が言わないということは、決まりがないのかもしれないが、一応、場に残っていたスタッフに確認してみると、みな意外と適当だった。「届けばいいんだよ」と。それを言っちゃあおしまいよ、だってB型とO型しかいないんだもん。それでもリサーチの結果3人中3人が「真ん中」と答えたので、皆を信じて、申し訳ないですが巻き添え決定、貼っていくことに。
作業中も、後ろのみんなが話す話が聞こえてくる、そうそう言ってたよね…と心がざわざわすると、宛名シールの薄い紙っペラがバカにしたかのように薄笑いして破けてしまう。口裂け女の口ではないか!今度は宛名シールの苗字を見て、おっ、〇〇さん元気かな、なんぞ思おうものなら、再びビリ。破れるのはきっと心の揺れを感じ取っているのだろう。
この作業は、何かに似ている。
ーそう写経だ。
写経の世界観だ。
周りに人がいることを考えるとなぜだか緊張して字と向き合えず、文字の意味を考えすぎると逆に字に集中できないあの心の状態。ひたすら手を動かし、余計な雑念を追い払い、自己と向き合い、一つにとらわれず、心を無にして書き続ける。あの世界観。
…書いたことないけど。
イメージ。
ベテラン事務員さんからすれば、事務職1年かそこらのペーペーが分かった口聞くんじゃないわよ、とお怒りもごもっとも。初めての封入作業による今日のワタシの収穫は、この世界観を体感できたこと。同僚はワタシがその世界で戦っていることに、気づいていないし、知る由もなし。