見出し画像

長年目指していた臨床心理士になることを諦めました。

部屋の本棚の一番目立つところに
心理系の本が並んでいます。

長男(ADHD・ASD)から
「こういう勉強しようと思ったのは俺がきっかけやろ?」
と、今朝たまたま言われました。

ちょっと言葉に詰まってから
「・・・そうだよ。」

2024年9月まで
通信大学の進学相談を重ねて
やっと1校に絞り
2025年4月から入学予定で
やるならと覚悟を決めて
準備をしてきました。

今月に入り
気持の変化が生まれました。

他人から猪突猛進と言われてきたのですが
ここに来て立ち止まることになるとは
正直思っていませんでした。

気持ちの変化を時系列にまとめながら
整理していきたいと思います。

きっかけは長男の発達障害

なかなか眠らない。
目が合わない。
多動。
言葉らしきものがない。
癇癪が多い。

当時30代だった私は
はじめての子育てに戸惑っていました。

1歳半健診で反り返って泣き続け
健診の課題にのることができず
親子で別室に呼ばれます。

「子育てを助けてくれる人は周りにいますか?」

質問が耳に入らないほど
泣き続けた長男。

「親子教室があります。」
「来週見学に来れますか?」

はじめて出会った臨床心理士

親子教室の先生はじめ
臨床心理士、社会福祉士、保育士の
先生方が当日は待っておられました。

ざわざわしていない空間では
比較的落ち着いていた長男は
前回できなかった健診らしきものをはじめますが
積み木をばらばらにしたり
絵を見て指さしもできませんでした。

「親子教室で療育をはじめてみませんか?」

多動で公園もよく抜け出していたことから
安心して遊ぶことができると聞き
とりあえず療育を開始することにしました。

楽しかった療育

はじめは全く気が乗らなかったのですが
20組ほどの親子や先生方と遊ぶ空間は
本当に楽しかったことを覚えています。

母親達と先生のみの勉強会があるときは
母子分離で行いました。

分離の瞬間に泣く子がちらほらいるなか
母と別れても全く泣かない長男。
目の前のおもちゃに夢中でした。

はじめは発達心理学から

母子分離の瞬間を
先生方は常に観察していました。
分離の時に泣くこどものことを
いつも褒めているように感じました。

何度か母子分離で勉強会が
行われましたが
1年以上続いた療育も終了にさしかかった時期に
一度だけ長男が泣いたことがありました。

その時の先生方の驚きよう・・・
長男君泣いた!とあまりにも
オーバーリアクションで反応したので
ちょっとした違和感を感じます。

親子間で何か起こっているはずなのに
この現象について
先生方は何も説明してくれない。

今目の前で起こっている
ことは一体何???
誰も教えてくれないならと
発達心理学の本を読んでみることにしました。

夫も私も・・・

発達心理学の本読み謎の現象は
「アタッチメント」「愛着」ではないだろうか?

心理学は面白く
どんどんはまっていきます。

読んでいるうちに
夫は(当時で言う)アスペルガー
私はADHDではないかと疑いはじめます。
また、当時悩んでいたことは
まるでカサンドラ症候群ではないかと
疑問を持つことになりました。

そして長男は
自閉症と多動性障害
ではないかと思っていました。

残り少ない療育に行くたびに
臨床心理士の先生に
夫も私もそんな気がする・・・
長男も何かあるんですよね?

臨床心理士の先生は苦笑いしたまま
医師しか診断ができないこと
検査結果を渡すので
それを持って医師の診察を受けるように言われました。

いよいよ診察当日
「これから行ってきます!」
親子教室から病院に向かう際
臨床心理士の先生が
駆け寄ってきて
「何があっても驚かないでね」
と耳打ちします。

「・・・」
(心の中で・・・もうそれが答えやん・・・)

いつも親身になってくれた
臨床心理士の先生。
社会福祉士の先生。
保育士の先生。
本当に感謝しかありませんでした。

2歳10ヵ月で
広汎性発達障害(ADHD・ASD)と診断され
やっと疑問に思っていたことが判明し
すっきりと晴れやかな気持ちでした。

大反対される

お世話になった先生方の
ようになりたい。
心理学をもっと学びたい。

臨床心理士になりたい・・・と伝えると
もちろん夫から大反対されました。
学費はどうするの?
時間はどうやって確保するの?

現実的に厳しいと
分かっていても
やりたいと言う気持ちが
抑えきれなくなりました。

大学、大学院・・・
調べれば調べるほど
厳しいこともわかります。

今までは
反対されたら
諦めていましたが
今は赤ちゃんの長男もいつか大人になる。
そんな大人をサポートを
する仕事がしたい。

大学生のサポートもしくは
就労支援がしたいと思っていました。

当時何故だかわかりませんでしたが
40歳くらいになった長男を
想像していました。

こどもの頃に手厚かったサポートが
これからどんどん先細りになることも
なんとなく理解できました。

この子らが18歳になったらどうなるん?
大人になったら働くんやで?
誰が助けてくれるん?
夫にしつこく食い下がります。

どうしても諦めきれなくて
何とか方法を考えます。

保育士を独学でとったら大学に行ってもいい?

フットインザドア作戦でいこう!

当時の計画は
独学で受験できる保育士を取得する。
保育士で働いで学費を貯める。
福祉系通信大学編入で基礎科目を取り学士取得。
通信大学在学中に実習免除施設で働く。
養成校1年⇒社会福祉士取得
養成校1年⇒精神保健福祉士取得
精神保健福祉士として就職する。
大学院に入って臨床心理士を目指す。
※当時公認心理師はありませんでした。

ここまでは夫に明かさず
保育士⇒通信大学まで
打ち明けてみよう・・・

「保育士試験うけようかな」
「受かったら学費を貯めてから大学行ってもいい?」
「保育士で発達支援の仕事をしたい。」

夫は根負けしたのか
受かるはずがないと思ったのか
できるはずがないと思ったのか
何とか許可してくれました。

通信大学で学ぶ

次男が生まれ
2歳で保育園に入りました。
仕事の合間に試験勉強をして
1科目だけ落としてしまい
その1年後、次男が4歳の時に合格。
すぐに保育士として就職します。

大学進学も実は反対されていました。

保育士として3年働いたら
大学に行ってもいいと許可をもらいます。

結局5年働き
通信大学に入学することができました。

養成校(社会福祉士)

スモールステップで行こうと計画を立てていたので
2年間で学士と基礎科目を取得。

自宅から通える養成校で学び
社会福祉士を取得しました。

養成校(精神保健福祉士)

今年養成校に行きました。
2025年2月受験です。

やっとここまで来ました。

新しい仕事を探していて
長男が赤ちゃんだった時にはなかった
成人をサポートする仕事も
どんどん増えていました。

こんなところで働きたい。
働けるだろうか・・・
エージェントの力も借りて
転職活動を実施。
所持資格から
何件か面接に行けそうな
ところがみつかります。

今まで出会った心理の専門職の先生方

療育で出会った、臨床心理士の先生。
長男の病院の、臨床心理士の先生。
長男のデイサービスの、臨床心理士の先生。
スクールカウンセラーでお世話になった、臨床心理士の先生。
私の職場の、臨床心理士の先生。
社会福祉士での勉強で知り合った、
Gルートで公認心理師を取得した方々・・・
精神保健福祉士の勉強で知り合った、
Gルートで公認心理師を取得した方々・・・

支援される側、支援する側、勉強仲間・・・
様々な角度から
心理の専門職の先生方にお会いしました。

毎回、心理を学びたいと伝えてきましたが。
とても、応援してくださいました。

いつも親身になってくださった先生方。
いつか私も、臨床心理士になりたい。
目指した当時なかった公認心理師にもなりたい。

長男が成人した

この10月に長男が成人しました。
10月末の選挙にも行きました。
誇らしげな表情で帰宅した表情をみると
安心した気持ちになりました。

成人になるまで
本当にいろいろありましたが
気がつけばあっと言う間・・・

一番大変だったのが
どんどん支援を減らしていく
中学生の時期でした。

「お母さんは、いつも俺ができないと決めつけて話をしてくる!」
「できない前提で話をするな!」

長男の可能性を
奪ってるのは自分なのかもしれないと
悩んだ時期でした。

まだ学生の長男ですが
気になっていたことを質問をします。

就労した時に支援っている?

「あったら、嬉しいけど・・・」
「相談は・・・したいけど」
それは母じゃない。
とのこと。

社会性に困難がある。
コミュニケーションに困難がある。
ずっと言われてきましたが

目の前にいるのは
自分の意見が言える
不器用だけど
立派な青年でした。

何のために?誰のために?

今まで、
長男のために。
長男と同じような人のために。
と、猪突猛進に頑張ってきました。

長男にとっては
自分の「ため」って
母が頑張ることは
気が重いんじゃないか・・・

私は、自分が助けられてるのに
なんだか「助ける」って
おこがましいような気になりました。

そして
家族は長男だけではありません。
「きょうだいじ」として
一緒に認知行動療法プログラムをしてきた
中学生の次男もいます。

仕事を退職して
数か月経ちますが
気が付けば
次男はいつもそばにいて
学校の話、好きな絵の話、将来の夢の話、
たくさん話をしてくれています。

一緒に
「ポケモンセンター」や
「カラオケ」にも
行きたいそうです。

今まで多忙で行けなかった
学校行事や部活の応援に行くと
とても嬉しそうな表情をします。

そして、
自分の人生も生きてこなかったな・・・
誰かのためじゃなくて
自分のために生きようかな。

自分って何が好きだろう・・・
何がやりたいか考えてみよう。

そのうちのひとつがnoteで
10月中にはじめることにしました。

この先のイメージができない

いつも
ぱっと頭の中に絵を浮かべるように
イメージして

そのイメージ通り
かなりの時間をかけながらでしたが
スモールステップで
進んできました。

心理学を学ぶのには
日本のこのシステムの中では
働きながら
子育てしながら
ハードルが高すぎる気がします。

また、
出会ってきた多くの
臨床心理士が
掛け持ちをしながら働き
非常勤で苦悩していたこと。

Gルートで公認心理師を取った
福祉関連の方々が
公認心理師として働いてないこと。

私は
社会福祉士・精神保健福祉士として
仕事の基盤を持ち収入を得て
心理を学ぶと決めていました。
できると思っていました。

長男が成人と同時に
何度計画を立てても
心理士の現状や
進学へのハードルもあり
気持ちが切れてしまったようで
全くイメージができなくなりました。

まとめ

全国の
臨床心理士の先生方
公認心理師の先生方を
本当に心から尊敬しています。

これからも
心理学の本を読み
勉強は続けていきます。

本気で目指してきたからこそ
今の気持ちを素直に受け入れて
立ち止まってみようと思いました。

長男は、もう大丈夫。
なんとかなる。

次男とは、今からかな。
一緒に過ごす時間を大切にしよう。
巣立つときは
しっかりと見送ろう。

そして、
私も自由に
やりたいことをやってみよう。
ワクワクしてきました。

長年、目指してきた
臨床心理士になることに
いったん終止符を打つことにしました。


よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!