発達障害長男の私立中学合格後に大きな落とし穴。心理学が危機を救った?!そして犯人は意外な人物であった。
成人した長男(ADHD・ASD)の成長記録です。
私立中学受験をした長男。
無事合格し
ほっと肩をなでおろしたころに・・・
思いもよらない
落とし穴が待っていました。
今日はそんな話をしたいと思います。
合格するまでは、とにかく我慢!
受験の動機は
いろいろありましたが
受験校も塾もすべて本人が決めました。
幸運なことに
幼馴染も受験校が同じだとわかり
「合格したら一緒に通いたい!」
学校見学で一緒に撮った写真を飾り
ふたりで合格を目指すことになります。
小5の3月からの通塾開始となることから
完全に出遅れていたこともあり
受験までは10ヵ月程度しかありません。
大好きなゲームは息抜き程度で我慢!
合格するまでは、とにかく我慢!我慢!我慢!
突然の環境の変化に戸惑う
いままではのんびりと過ごしていたのに
夜に家を出ていく生活で環境が激変。
ゲームを我慢するのも
徐々にストレスが溜まっていきます。
たまに
「今日はもう行きたくない!」
「もう勉強やだ!」
がはじまりました。
主治医は常々2/3の年齢で
みんなに頑張ってついていってることを
理解しててねと言われていました。
そういうことになると
彼は12歳でも
本当は8歳の部分もあったなぁ・・・
あの手この手を使っても
ダメな日も出てきました。
受験を引き下がることが
できない状況だったので
困った私は彼にこう言います。
「無事に合格したら、ご褒美で好きなゲーム機を買ってあげる!」
ご褒美につられて再度頑張りはじめる
模試や塾の帰りに
電気屋さんによって帰るのが
楽しみになった長男。
「合格したら、これが手に入るのか~」と
ご褒美でもらえるゲーム機を眺めて
あと何か月と何日・・・
指折り数えながら
嬉しそうな表情をしていました。
そして、塾に行かないとは言わなくなりました。
よっしゃラッキー!
心の中でガッツポーズをする私。
合格後に一気にやる気がなくなる
友達も一緒に無事に合格。
「これで一緒に6年間通える!」
新しい生活がスタートしました。
欲しかったゲーム機も手に入り
さっそく沼におちるようにゲーム三昧がはじまりますが。
みんなが当たり前に勉強する環境だったら
長男も勉強するはず。
きっと。
そのきっとは
あっけなく打ち砕かれます。
1学期はなんとか
頑張っていましたが
2学期からは
成績が急降下しました。
先生から呼び出され
欠点の数によっては
学校に残れない状況とのこと。
通塾も再開し
クビがかかった3学期がはじまります。
ここで私はまた
「3学期頑張って学校に残れたらゲームソフトを買ってあげる!」
と約束します。
いらない・・・
ご褒美につられて頑張るかなと思いましたが
意外な答えがかえってきます。
「いらない・・・」
えっ?いらないの???
なんで???
「もう、ご褒美とかで頑張れない」
退学を覚悟
できることはやった。
後悔はありませんでした。
バーンアウトしてしまったのかな?
息抜きにちょくちょく本屋に行っていたので
何気なく心理学の本を手に取り
パラパラと読みはじめました。
こ・・・これは!!!
長男はこれかもしれない。
失敗のきっかけを作ったのは犯人は・・・
それは・・・
一生懸命サポートをしていたつもりだった
母の私が犯人でした。
本で「アンダーマイニング効果」を見た時
確信しました。
【アンダーマイニング効果】
長男で説明すると・・・
友達と同じ学校に行きたい
きれいなトイレがいい
おいしい食堂があるところに行きたいなど
内発的動機づけがあったにも関わらず
母から受験を頑張ったら
ご褒美を買ってあげると
あとからつけ足すように
外発的動機づけを行ったことにより
内発的動機づけと外発的動機づけが
すりかわり
内発的動機づけ・・・
つまり彼の内なるモチベーションを
下げてしまっていたのでした・・・
これは
受験前から
失敗していたんだ。
しまった。
時すでに遅し。
せっかく何かをやってみたいと
一歩を踏み出した長男に
申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
自分の人生だから好きにしていい。
私は長男と話し合います。
今まで
受験も、塾も、全部自分で決めてきたよね。
でもね。
私は、どうも失敗してしまったみたい。
ご褒美方式は、もう2度とやりません。
これは余計なことだったみたい。
勉強もやりたくなかったら
やらなくていい。
中学は義務教育だから
そこはしかたないけど
高校や大学も
基本は勉強したい人が行くところだから
無理しなくてもいい。
転校や退学、地元の中学に戻る
どんな選択も受け入れる。
いままで
勉強することに
たくさん口出ししてきたけど
欠点取っても
もう何も言わない。
塾も続けたかったら続けていいし
辞めてもいい。
学校に残る件については
自分の人生だから、自分で決めてね。
自分の人生だから好きにしていい。
別に・・・勉強がきらいなわけじゃない
黙って聞いていた長男はぽつりと・・・
別に・・・勉強きらいなわけちゃうねん。
数学がわらんところがでてきて困ってるねん。
だから数学の提出物出したくない。
でもな。
先輩に聞いたら
平均点で判断されるらしいから
数学はもう捨てて
得意の社会で平均点上げて
この学校に残りたいねん。
そこまで考えている長男は
もうすっかり大人だ・・・
もう、心配することないな。
ここから一切の口出しすることを辞めることにしました。
まとめ
長男は、宣言した通り
自分の考え出した方法で
6年間在籍し続けました。
武器である社会は
今も磨き続けています。
中学~高校で
通塾もしましたが
「今日はいかない」
「今日はオンライン」
「今日は行く」
全ての判断を自分でしました。
中学受験をすることや
受験校を決めたのは長男だったので
そこは本当に助かりました。
6年間何度も苦難が訪れましたが
「俺がここを決めたからしかたない」・・・
もし中学受験や
受験校を私が決めていたら
どうなっていたんだろう???
たらればの話をしても
しかたないですが
中1の話し合いから
外食で何を選ぶか
自動販売機で何を買うかなど
どんな小さな自己決定も
見守ってきました。
自己決定を見守る。
本当に難しいです。
特にお金にまつわる話は・・・ね。
長男とお金にまつわる話は
また別の機会に書きたいと思います。