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守山市新庁舎

今日は仕事で、守山市の新庁舎を見学してきました。
とても良い経験だったので、感想を書きます。


設計と施工

基本設計は、隈研吾建築都市設計事務所・安井建築設計事務所JV。
実施設計と施工(既存解体含む)は、竹中工務店です。
日本を代表する設計事務所と大手ゼネコン。
特に今回の注目ポイントは、『地域産材をふんだんに使用している』点。
木材を斜めに貼った天井は斬新で目を引きます。

CLTでひろがる木造建築の可能性

『CLT』という木材をご存知でしょうか?

CLTとはCross Laminated Timber(JASでは直交集成板)の略称で、ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されています。

https://clta.jp/clt/

ものすごく簡単に言うと、木の板を、向きを交差しながら貼り合わせた板です。
特長は以下。

  1. 工期が短縮できる

  2. 他の構造体と比べて軽い

  3. 耐震性

  4. 断熱性・遮炎性・遮熱性

  5. 見えるところに使う(現しで使う)

  6. 環境への負荷が少ない

このCLTが、守山市新庁舎でも使われています。
入ってすぐ、エントランスの壁面にはこのCLTが見える状態になっています。
海外では、CLTを活用して高層木造建築がどんどん建てられていて、日本でもこれからそうした事例が増えていくとされています。
木を活用する方法として、とても期待されています。

デザインの力

日本は7割が森。
世界的にみても森林大国といえます。
ただ、それを活用し、未来に残していくためには、課題が山積されています。
様々な要因が絡み合い、木はとてもとても安価になりました。
大切に40~50年も育てた木が、1万円以下の価格でしか売れません(場所や時期によります)。
稼げないから、人が集まらない。
人が集まらないから、産業全体が上向かない。
そして森の維持、保全にかけるお金も足りない。
そんな悪循環に陥り、放置された森林がたくさんあります。
「鶏が先か、卵が先か」ですが、森の木は、ちゃんと使ってちゃんと植えないといけません。
”使う”ための要素として、『デザインの力』は大きいと思っています。
デザインの力で付加価値を乗せ、木を高く売る。
それが家具であっても建材であっても何であっても、正当に、納得感を持って、高く買ってもらうためには、デザインの力が欠かせないと、私は思っています。

豊かな森を残すために

私は森が好きです。
そんな森を残すために何ができるのか?
森から取れる資源を使って事業を行う者として、それを常に考え、広めていきたいと思っています。
ただ、大層なことではなく、まずは一人でも多くの人が森に興味を持って、森に足を運ぶことから始まるのだと感じています。
そのための一助になれるよう、森についてのことを微力ながら発信できればと思います。

ありがとうございました!

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