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コラム(26日)、円安に打つ手なし、金融当局による“悲しも痛々しい”リーク?「為替レートは市場が決める」イエレン米財務長官

米国の1−3月期G D Pは前年同期比1.3%増と市場予想(2.5%)を大幅に下回った。ブルームバーグによるとほぼ2年ぶりの低い伸び率とのこと。成長率が鈍化しすること自体は現局面では’歓迎材料。ただその一方で個人消費支出価格指数は同3.7%増と予想(3.4%増)を上回った。この結果、インフレが沈静化し成長率がマイルドな形で上昇する、いわゆるソフトランディングへの期待感に微妙な変化が生じている。成長率が低下しインフレだけが再燃すれば、これは教科書通りのスタグフレーションだ。市場ではソフトランディングを前提とした利下げ期待がしぼみ、インフレ再燃による金利高止まり(利上げ再浮上の可能性も)、ドル高復活(円安継続)シナリオが頭をもたげはじめている。こうした市場心理を反映して世界中で株価が急落、債券利回りが上昇(価格の下落)した。こんな環境下で日銀の金融政策決定会合が開かれている。

円相場は米国のG D P発表を受けて155円台半ばに急落している。市場が予想する介入レートは155円台。この水準を上回っても政府には今のところ介入の動きはない。イエレン財務長官は昨日ロイターのインタビューで、「介入がまれであることを願う」と政府にプレッシャーをかけた。それだけではない。「全ての主要国に期待するのは、為替レートが市場で決定されるということであり、これは主要7カ国(G7)のコミットメントでもある」と強調した。有り体に言えば「介入するな」と言っているに等しい。日本の財務省は介入に向け米国の了解を得られないまま、節度を超えた円安の動きを傍観しているのかもしれない。仮にそうだとすれば、介入の良し悪しは別にして(個人的には介入反対派)、米国の了解なしには何もできない対米従属国・日本の情けない現実を浮き彫りにしているようにも見える。

今朝ネットでニュースを見て驚いた。日銀の金融政策決定会合に関連した記事で時事通信が「日銀、国債購入縮小の方法検討 事実上の量的引き締めへ移行」との特ダネを配信している。そういえば前回の金融政策決定会合の際には日経新聞が、「マイナス金利廃止」をはじめその日の決定会合の決定事項をそのまま伝える記事を発表当日の朝に配信した。想像するに両方とも当局者によるリークだろう。金融政策決定会合といえば本来、徹底的な情報管制(ブラックアウト)がしかれているはずだ。当局者への取材は禁止される。にもかかわらず2会合続けて特ダネの連発。イエレン財務長官によって市場での介入を阻止された金融当局によるこれは口先介入ではないか。円安阻止に向けた慣行破りのリーク。この見方が正しいとすれば、円安阻止に向けて打つ手がない政府・日銀による悲しくも痛々しいリークというしかない。


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