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コラム(20日)、斉藤兵庫県知事問題・再考、私も「天邪鬼(あまのじゃく)」

兵庫県の斉藤知事が県議会議員の全員一致で解任された。問題の経緯など改めて書く必要もないだろう。連日テレビなど主要メディアがあること、ないこと、ファクトテェックもせず報道している。個人的にこの問題に興味を持っているのは斉藤知事の倫理観でもパワハラ疑惑でも、みみっちいおねだり疑惑でもない。県の百条委員会の調査結果も出ていないうちに、県議会議員が与野党含めて全員一致で解任を可決したことだ。解任反対はゼロ。まるで中国や北朝鮮の議決方式を見ているようだ。民主主義国家ではあり得ない事態と

    • コラム(19日)、後手を踏まない予防的利上げ、パウエルF R B議長の決断

      F R Bは昨日終了したF O M C(公開市場委員会)で0.5%の利下げを決定した。今回のF O M Cでは利下げが確実視されていた。下げ幅については0.25%説と0.50%説に分かれていが、金融関係者の間では前者の説を推す意見が強かった気がする。結果は0.5%の大幅利下げ。パウエル議長は委員会後の記者会見で「後手に回っているのではなく、これは適時であると考えている」と発言した。同議長は2022年3月にインフレ対策の利上げに踏み切ったが、この時は「後手を踏む金融政策」と各方

      • コラム(18日)、自民党の旧統一教会疑惑再燃、総裁選・解散時期に影響か

        きのうのこの欄で「変わらない、変われない自民党」と書いたが、変わらない自民党に対する疑惑がまた浮上した。朝日新聞が17日の朝刊で「萩生田光一氏『写真は私』『記録ない』、岸信夫氏側は『確認できず』」と報じたことがきっかけ。時事通信は昨日の夜、「安倍氏・教団『面談』写真が火種 自民調査に疑義、早期解散影響も」との記事を配信している。おりから自民党は総裁選挙の真っ只中。9人の候補者は裏金疑惑に伴う政治不信解消に向けて自民党をどう変えるのか、多くを語らない。にもかかわらず、新総裁によ

        • コラム(17日)、自民党総裁選、「変わらない、変われない日本」の風景か

          12日に告示され自民党総裁選は今日で5日目を迎えた。この間、野党第1党の立憲民主党の代表選挙も同時並行で実施されている。裏金疑惑をめぐる政治不信がピークに達する中で行われる与野党第1党の代表者選び。さぞ激論が戦わされるのではと思いきや、大胆な政策提案は全くなく論戦は低調の極みといったところだ。もともと期待していないのだから「何をいまさら」と、自己批判めいた声がこころの奥で鳴り響く。というわけでもないのだが、総裁選に出馬した9人の政策公約に一通り目を通してみた。候補者が9人もい

        コラム(20日)、斉藤兵庫県知事問題・再考、私も「天邪鬼(あまのじゃく)」

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          コラム(13日)、自民党総裁選、迫力と訴求力不足で稀に見る“凡戦”

          危機的状況の自民党。党再生に向けた総裁選挙が昨日告示され、9人の候補者が出揃った。頭数では過去最高だが、党改革にも公約の政策にも、危機的状況を打開するほどの新鮮味がない。一言で言えば迫力と訴求力に欠けているのだ。対する立憲民主党の代表選。陰が薄いうえに極めて地味。派手ならいいというわけではないが、自民党に輪をかけたように同じことの繰り返し。有権者は戸惑っている。というより、政治不信を一段と加速させるのではないか、柄にもなく心配になる。両党のトップを選ぶ選挙、何が問われているの

          コラム(13日)、自民党総裁選、迫力と訴求力不足で稀に見る“凡戦”

          コラム(11日)、うんざりすること(18)、兵庫県斉藤知事をめぐる疑惑

          今朝民放の情報番組を見ていてこのタイトルを思い出した。調べてみたら前回は2021年12月に17回目を書いている。改めて時の流れの速さを実感した。というわけで今回の「うんざり」は兵庫県の斉藤知事の辞任問題である。このところ民放の情報番組では必ずこの問題を取り上げている。トーンは全て同じ。一言で言えば「早く辞任しろ」ということだ。根拠は明白ではない。情緒的感情論だろう。正直言ってこの問題を取り上げる難しさは自覚している。故にこれまであまり関心を持ってこなかった。いまでも事実関係を

          コラム(11日)、うんざりすること(18)、兵庫県斉藤知事をめぐる疑惑

          コラム(10日)、中国のデフレ懸念長期化へ、先行した日本は脱デフレの兆し

          今朝目についたニュース、「中国のデフレスパイラル、危険な新局面入り-早期の措置が必要にも」。ブルームバーグ(Bb)の記事で、送信時間は2024年9月10日 1:32 とある。リードには次の通り。「中国で続くデフレ圧力が、ここへきて負のスパイラルに陥りつつある。世界2位の経済規模を持つ同国の景気見通し悪化につながりかねず、早期の政策対応を求める声が高まっている」。中国の経済不振はいまに始まったことではない。デフレ懸念はだいぶ前からメディアや経済専門家の間で喧伝されていた。そんな

          コラム(10日)、中国のデフレ懸念長期化へ、先行した日本は脱デフレの兆し

          コラム(6日)、トランプ+マスクの「政府効率化委員会」は国民の敵or味方

          米大統領選挙でハリス氏もトランプ氏も色々な政策目標・公約を連発している。これが国民にとっていいことなのか、悪いことなのか、実のところよくわからない。両氏とも思いつきで発言している印象が強いうえ、対立候補との違いを強調するための口先トークの可能性もある。いずれにしても両候補の真意や本音は掴みづらい。昨日トランプ氏が表明した「政府効率化委員会」の設立もその一つだ。しかも、トップにはイーロン・マスク氏が就任するという。同氏も了解済みらしい。反トランプだったマスク氏がいつ親トランプに

          コラム(6日)、トランプ+マスクの「政府効率化委員会」は国民の敵or味方

          コラム(5日)、政策的「刷新感」か票目当ての「豹変」か、茂木幹事長の公約

          茂木敏充幹事長は4日、自民党総裁選への立候補を表明した。都内で記者会見を行った。岸田政権の幹事長だが、裏金疑惑の解明には幹事長としての職責を放棄したかのような対応だった。岸田総理とも折り合いが悪く当選10回、閣僚や党三役の経験も豊富なベテラン議員としては、影の薄い存在だった。個人的にはそんな気がする。その幹事長の選挙公約を見てちょっと驚いた。「増税ゼロ」を推進し、国民一人ひとりの「所得、年収をアップさせることを政権の最優先の目標に掲げる」と宣言したのだ。政治改革については「ま

          コラム(5日)、政策的「刷新感」か票目当ての「豹変」か、茂木幹事長の公約

          コラム(4日)、V W、国内工場閉鎖検討の報道、どうなるグローバリズム

          ブルームバーグ(Bb)が3日伝えたところによると、ドイツを代表する自動車メーカーのV W(フォルクス・ワーゲン)が国内工場の閉鎖を検討しているという。理由は簡単。激しい競争を勝ち抜くためのコスト削減が目的だ。自動車業界はE V(電気自動車)や自動運転車の開発を目指して、熾烈な競争を繰り広げている。排ガス規制などただでさえ厳しい開発競争にさらされているうえ、テスラをはじめ中国系の新規参入が相次いでおり、大手といえども経営環境は決して楽ではない。そんな中でドイツを代表する大手メー

          コラム(4日)、V W、国内工場閉鎖検討の報道、どうなるグローバリズム

          コラム(3日)、「もしハリ」で米国経済はどうなる、「もしトラ」を上回る“不安”

          金持ちを応援しているわけではないが、もしハリが実現すれば米国経済は破綻するのではないか、そんな懸念が頭をよぎる。カマラ・ハリス副大統領が11月に実施される大統領選の候補者に決まってから、米大統領選挙の様相が一変した。自民党の総裁選挙と同様に「刷新感」が有権者の「期待感」に変わり、トランプ氏の銃撃事件で圧倒的な優位を確保したかにみえた共和党が、ハリス氏の勢いに飲み込まれようとしている。もっともこれは日本のメディアを通じて報じられる日本語情報を、日本で見ている普通の生活者の一般的

          コラム(3日)、「もしハリ」で米国経済はどうなる、「もしトラ」を上回る“不安”

          コラム(2日)、中国軍の領空・領海侵犯、異常台風を狙った情報収集かー政府・与党的確に対応できず

          中国軍は先月26日と31日、矢継ぎ早に日本の領空と領海を侵犯した。領空・領海侵犯は国際法上の違法行為だ。防衛省の発表によると、26日に日本の領空を侵犯したのは中国軍の「Y-9」情報収集機1機。民間機などが日本の領空や領海を侵犯するケースは度々あったが、軍用機による審判は初めてだという。これに対して日本側の対応は自衛隊機が緊急発進(スクランブル)して警告。外務省の岡野事務次官が中国の施泳臨時代理大使を外務省に呼び、厳重に抗議するとともに再発防止を求めた。岸田総理からの発言は特に

          コラム(2日)、中国軍の領空・領海侵犯、異常台風を狙った情報収集かー政府・与党的確に対応できず

          コラム(29日)、日銀の独立性を問う、翻弄される植田・日銀総裁

          Bloombergが昨日配信したコラム「追加利上げの衝撃、植田日銀は教訓学べ」に痛く同感した。日本のメディアでこのような記事はあまりお目にかからない。記事の中に日銀の独立性という言葉は出てこないが、コラムニストであるダニエル・モス氏とリーディー・ガロウド氏の二人の共著者はまさにそれを問うているのだ。極端なことを言えば日銀には独立性などない。メディアがよく口にする「報道の自由」と同じで、無いものねだりの感がある。7月30日と31日に行われた金融政策決定会合で日銀は、政策金利を0

          コラム(29日)、日銀の独立性を問う、翻弄される植田・日銀総裁

          コラム(28日)、観光立国を阻む航空会社の労働慣行、日本を覆うガラパゴスの影

          日本の観光立国化を阻むのはオーバーツーリズムだけではないようだ。ロイターが今朝配信した記事によると、日本独自の労働慣行が観光立国の大きな障害になりそうだという。記事のタイトルは「日本の観光立国化阻むパイロット不足、即戦力の外国人には給与の壁」。政府は2030年に6000万人の外国人観光客の誘致を目指している。そのためにはパイロットの数を1割以上増やす必要があるが、政府の計画を無視するかのように国内航空会社のパイロット不足が深刻化しているというのだ。パイロットは現状で約7100

          コラム(28日)、観光立国を阻む航空会社の労働慣行、日本を覆うガラパゴスの影

          コラム(27日)、「FOMO」ってなに?知らない人は気にしない

          Bloomberg(Bb)の記事を読みながらこの言葉を見つけた。「F O M C(公開市場委員会)」は知っているが、「F O M O」はまったく知らなかった。だいたいなんて読めばいいのだろうか。早速、いつものようにググってみた。答えは以下の通り、「FOMO(フォーモ)とは、英語の『Fear Of Missing Out』の略で、『取り残される不安・恐怖』を意味する言葉です。インターネットの普及を背景に、主にFacebookやX(旧:Twitter)、InstagramなどのS

          コラム(27日)、「FOMO」ってなに?知らない人は気にしない

          コラム(26日)、米大統領選挙と自民党総裁選挙に共通する選挙の盲点

          米大統領選挙はいまのところ完全にカマラ・ハリス副大統領のペースで進んでいる。これと比較しても意味ないかもしれないが、候補者乱立気味の自民党の総裁選レースも、裏金づくりにまつわる不信感がまるで嘘だったかのように国民の関心を集めている。銃撃事件で一気に優位に立ったトランプ前大統領も、政権奪取に近づきつつあった立憲民主党も、あっという間に影が薄くなった。米民主党はバイデン大統領が候補者だった頃に比べ、党内分裂は目立たなくなり挙党一致でハリス候補を応援しているように見える。結果を占う

          コラム(26日)、米大統領選挙と自民党総裁選挙に共通する選挙の盲点