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Q.C.D.調整終了

商品企画はクリエイティブ職ではありません。
閃いたアイデアを活かすというイメージから考えると極めてクリエイティブな職種のように思えるかもしれませんが、現実はもっと地味です。
アイデアが活きることもありますが、個人の閃きをそのまま使うほど組織は簡単ではありません。
何職かと問われれば相応しいのは調整職です。

QCDという言葉があります。
Quality=品質、仕様
Cost=原価、売価、投資費用
Delivery=発売日、日程、納期
ものづくりに関わる主な要素をまとめたものです。
商品企画はこれらのバランスを取って最適化を図ります。

一方で各部署はこれらのバランスを崩す要望を上げてきます。
管理部門は流出するコストを最小化するように言ってきます。
営業部門は最小のコスト、最短の納期で最高の品質を求めてきます。
開発部門は納期を人質にコストや仕様についての話をしてきますし、品質部門はコストや納期に関係なく品質を優先しようとします。

それぞれの部門にそれぞれの達成すべき目標があるので、自部門に最適なQCDバランスを要求したり、既存のバランスを崩した要求をしてくるのは当然のことです。
しかしそれらはあくまで部門都合、つまりは社内の都合に過ぎません。

商品企画の都合は顧客価値の最大化であり、社外の都合によって成り立っています。
外に送り出して行く為に最適なQCDのバランスはどんな具合かを調整するのです。

キラキラとしたクリエイティブ職、そんな憧れを持ってしまうと現実とのギャップに苦しむかもしれません。
それでも自分の手がけた商品が世の中に出て評価されるのは最高の喜びであることは言うまでもありません。

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