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ブランディングの位置付け

折角良い商品を持っているのに知られていないのは勿体無いですね。
ブランディングをして認知を高めましょう。
そんなコンサルタントの言葉をよく耳にします。
どんな会社も雑に商品を生み出しているわけではなく、思いを込めている筈ですから、どこかしら推すところがあります。
それを伝える手段にブランディングというものがあります。
そんな事例を耳にして、売り上げを伸ばす為、商品をより多くの人に届ける為にはリブランディングが必要だという声が社内からあがります。
さて、ブランディングには上手くいくものと上手くいかないものがあるのですが、その分かれ目をご存知でしょうか。

それはブランディングを目的にするのか、手段にするのかの認識の違いです。
目的と手段を履き違えると上手くいかないという話はよくありますが、ブランディングにおいては一層顕著です。

目的としてのブランディングは経営戦略や事業戦略に当たります。
顧客との信頼関係を記号化したものがブランドですから、一朝一夕に出来上がるものではありません。
見えなかった信頼を可視化することが目的としてのブランディングですから、他社の成功に憧れて真似をしようとしても信頼に足る自社の実績がなければ自分勝手な宣言や広告になってしまいます。
顧客から見た本当に良い商品があることがブランディングを目的として成功する為の唯一の条件です。

一方で手段としてのブランディングはもっと気楽です。
後付けでメッセージを込めて属性を明示するプロモーションの一環です。
4Pの中のPromotionですから、一要素まで位置付けが下がります。
顧客との信頼関係を実績として持たなくとも、何を約束するかを明示するだけで成り立ちます。
小綺麗なメッセージが乱立している昨今では大きな成功をする例は少なくなりつつありますが、それなりの成功はしやすいものです。

ブランディングを目的として会社を大きく変えようとしているのか、ブランディングを手段として商品を知ってもらう機会を増やそうとしているのか、この二つは取り組みの規模も取るべき行動も大きく違います。
取り組む時にはまずどちらなのかをはっきりさせる必要があるのです。

また、安易にブランディングと言う人は信じないようにしましょう。
広告宣伝を大仰な表現にしているか、事業規模の大型を提案しようとしているかのどちらかですから。

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