見出し画像

思考の属人化

属人化という言葉が良い意味で使われることはありません。
対義語は標準化で、個人ではなく組織や仕組みの中で誰でも対応できるようにすることです。
この作業はこの人にしかできない、Excelを作った本人にしか加工できない、当時の担当が辞めたので誰も知らない、そんな状況が生まれるのが属人化した状態です。

判断や決裁は役職という組織化された役割に属している一方で、属人化する傾向にあります。
あの人はこういう考え方をするから資料の建て付けはこうした方がいいとか、給料日後は機嫌がいいから承認がスムーズだとか、傾向と対策を立てがちです。
仕組みが標準化されていても実際に運用するのは個人なのでそんな属人化はやむを得ないものです。

商品企画が気を付けなければならないのは思考の属人化です。
上司に指示されたからやる、会社の方針だからやる、それ以上のことを考えず、最後の仕上げは指示した誰かがどうにかしてくれる、そんな思考を放棄して誰かの思考や戦略に委ねる気持ちがあると赤信号です。
忙しい時や状況が入り組んでいる時に燃える人は多くありません。
多くの人は思考よりも作業に集中したくなり、思考の属人化を進めてしまいます。
作業は私、決めるのはあの人、修正が必要ならその指示を受けて作業をする、そんな状態になってしまったらそれは商品企画の仕事をしているとは言えなくなります。

最後に決めるのは自分ではない誰かかもしれませんが、それまでの思考は自分のものですし、必要なお膳立てをして「決めさせる」も自分なのです。
商品企画は誰かの為の作業者ではありません。
思考を誰か自分以外に属人化してしまわないようにしましょう。

いいなと思ったら応援しよう!