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粒度と流度

商品企画のプレゼンテーションには分かりやすいものと分かりにくいものの間に明確な線引きがあります。
ストーリーテリングの良し悪しで改善する部分もありますが、基本は資料の構成です。

人間の集中力は8秒しか持たないという説があります。
15分周期で最長90分という説もありますが、興味や準備がなければ15分と言われるよりも8秒と言われる方が納得しやすいのではないでしょうか。
8秒、その間に資料の核たる部分を伝えなければ聞き手の集中力が切れてしまうのです。
何枚にも渡って朗々と喋り続けていては苦痛になるばかりです。
せめて8秒の間に伝えるべきことを伝えて、ページを進めるたびに集中力をリセットさせなければ話を理解してもらえません。
8秒、リセット、8秒、リセット、このサイクルがスムーズに作れれば集中力が切れても話は伝わっていきます。
リセットからの集中に至る流れをスムーズにするには、話の流れがスムーズであることが必要です。
違和感なく流れていく、いわば流度のようなものが大事です。

流れを作る流度をスムーズにするにはもう一つの粒度の調整が必要です。

宇宙は広い。
私はちっぽけだ。
アメリカの国土は広いのに、
我が家の食卓の狭いこと。

広さという粒度をまちまちに並べると謎の散文が生まれます。

地球という惑星広しといえど
四季があるエリアは限られており、
四季の温度変化で甘みが増した
愛媛のみかんは格別に美味い。

範囲が徐々に狭まっていくと、書いている内容は適当でも、なんとなく飲み込める文章ができます。

水が高いところから低いところに流れるように、粒も大きいものが先に引っかかって、細かいものほど後まで残ります。
粗いところから細かいところは順番に、粒度を揃えていくと人の話は分かりやすくなります。
マーケティングがPEST分析から始まって5フォース、3Cと見る範囲を狭めていくのも理解しやすくする為です。
社会の話、産業の話、市場の話、自社の話、方針の話、商品の話、このように狭めていくと話はスムーズに流れます。
大きな枠を8秒で伝える。
少し範囲を絞る代わりに解像度を上げて8秒で伝える。
更に絞って解像度を上げて…
毎回視点が細かく詳しくなるので飽きずに聴き続けることができるはずです。

粒度は徐々に細かく鮮明になっているでしょうか。
その結果、伝わりやすい流れになっているでしょうか。
粒度と流度で見てみましょう。

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