【読書感想】大人版『オバQ』から漂う哀愁がとても良い...
文月ノベルです。読書感想です。
藤子f不二雄著『SF短編パーフェクト版』を読んだのですが、それはそれはもう、凄まじいスピードでぐんぐん物語が進むのです。
型破りな世界観がぐんぐん進むものだから、頭の中はくらっくら。
これはぜったいに、読む麻薬...
世界のいちばん明るい部分を夢見れる人こそが、
実はもっともダークサイドを知ってる人なんだと、
改めて思ったのは言わんこっちゃないなあ。
しかし、45年も前に描かれたと思うと圧倒的なクオリティがあります。
中でも凄惨な『ミノタウロスの皿』『気楽に殺ろうよ』
これは万感胸に迫りました。
人口爆発の裏で巻き起こる『間引き』。既に内容を知ってる人も、このニューノーマルに改めて読むときっと新角度を味わえると思います。
大人版『オバQ』から漂う哀愁も、凄まじく良い...
あと少しで読み終えてしまうことがとても悲しいけれど、この作品たちはずっと心に残ると思うし、私の頭にも沢山の創作が生まれた。
ちなみにファンレターが来なくっても、あら。なーんにも不安じゃないわっと言ってのけた奥さんのあとがきもなんともかっこよくて染み入ります。
なんだか、このご時世、辛いことや悲しいこと、ネガティブになりそうなことがあるけれど、世の中はきっともう少し気楽でいいのかもしれません。
私もそれくらいで生きようかな。