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にゃんこ隊長は迷探偵 リリィ救出大作戦
シロボウは待ち合わせ場所である公園に向かう。
見た目はそこら辺にいそうな男子高校生だ。
久しぶりのこの姿は何か緊張するなぁ…けどありさをひとりで行かせて暴走すると困るからね。
僕は友人宅に遊びに来た高校生を演じる事にしようかな。
廊下にいてもそんなに違和感ないようにコンビニでお菓子でも買ってから行かないと…
シロボウは出たとこ勝負になりがちなトラ達より、ジックリ考えて行動するタイプなのだ。
公園の向かいのコンビニでポテチとコーラでも買うかな…あっ!僕、お金持ってないや。
仕方ないからありさが来るまで待機だな。
シロボウはコンビニへよるのを諦めて公園に向かう。
クロくん何処かな?
とりあえず呼んでみるか…
シロボウはひと声鳴いた。
「ワオーン」
僕、狼さんみたいだったかな?
かっこよく吠えたつもりのシロボウだが…
見た目が男子高校生な事をスッカリ忘れているらしい。
犬の鳴き真似をした男子にしか見えないよ?
◇◇◇◇
「トラ兄!シロボウが呼んでる!
行かないと!」
「クロの耳は凄いな。
俺には聞こえないぞ…」
「仕方ないですよ。俺の耳は特別ですから!
トラ兄はその分、戦闘能力がヤバいじゃないですか?
あっ…シロボウのヤツ人化してますね。
俺もたまには人化して活躍したいなぁ。
ありささんは一緒じゃないみたいだけど…
計画は伝わったのかな?」
トラとクロは人化しているシロボウに近づいていく。
そのまま話していたら怪しまれるので、シロボウはベンチに座り、膝の上にクロを乗せ猫好きな少年を装いながら経過を報告する。
トラはシロボウの足元で話を聞いている。
傍から見れば猫好きな少年に見えているはず?だと思いたいシロボウである。
クロは動物の共通語で話しているのだが、聞いている者には猫が鳴いているようにしか聞こえない。
「ありささんは腹ごしらえしてから来るんだね。
ありささんらしいや!
僕たちはマンションの窓からリリィが逃げるのをサポートするよ。
ありささんに時間稼ぎをしてもらわないとな」
「ありさには、同じ階の人の荷物を間違えて配達してもらって時間稼ぎをしてもらう事にしたよ。」
「シロボウ…作戦上手く行くかな?」
「クロくん!
リリィちゃんの為に俺頑張るよ!
上手くいかせるよ?」
シロボウとクロは真剣そのものなんだが…
シロボウは特に役目ないような気がするんだけど?
◇◇◇◇
「遅くなってごめんね!」
息を弾ませながらありさがシロボウ達が待つベンチに向かって走ってきた。
「えっと…トラ&クロは人化しないの?」
「いざとなれば人化しますが、今はこのままでいるつもりです。
ありささん、今日は面倒な事を頼んで申し訳ないです」
「あら!クロくん?
私もリリィちゃん推しなのよ?
花園商店街のアイドルを誘拐して監禁してる悪いヤツは許さないわよ?」
「ありさちゃん!
ありさちゃんを危険な目に合わせるわけにいかないので、ありさちゃんは時間稼ぎをして下さい。
その間にオレとクロがリリィを助けるつもりなんで…」
「分かったわ。
私は悪いヤツを玄関に釘付けにしたらよいのね?
任せて!
さぁ、みんなで現場に行きましょう?」
俺たちは走ってありさちゃんのバイクの後を追いかけた。
リリィ!
助けに行くから!
泣かずに待っていてくれよ?
次回こそ…
リリィが救出されるはず!