珈琲屋はに〜ず・前
のんびりクマちゃんと食いしん坊のリスさんが一緒に出したお店は…
珈琲屋はに~ず。
テイクアウト専門のコーヒーとお菓子のお店だよ。
海を見ながら美味しい珈琲を飲みたいなぁと思ったクマちゃんが一生懸命美味しい珈琲を淹れる練習をしていたら、幼なじみのリスさんが珈琲に合うお菓子も一緒に売ってくれたら嬉しいなぁって言うから…
クマちゃんは考えた。
1日考えた…
でもね、いい考えが浮かばなかったんだ。
何も浮かばなかったクマちゃんは、リスさんにお願いしてみたよ。
珈琲に合うお菓子を考えてってね。
それから2人は珈琲に合いそうなお菓子を作ってみたんだよ。
クマちゃんが好きな蜂蜜を使ったお菓子とリスさんが好きな木の実を使ったお菓子。
リスさんは大好きな木の実をたっぷり使ったクッキーを作っているみたい。
クマちゃんは?
何やら一生懸命に混ぜ合わせていた蜂蜜を練りこんだ生地を揚げるみたい!
「リスさん、この生地をねじってくれる?」
クマちゃんは、棒状になった生地を持ちねじってお手本を見せる。
リスさんも、ひょいひょいと上手にねじっている。
ちょっと不揃いながら後は揚げるだけのネジネジ達が続々と出来上がっていく。
「ツイストドーナツかぁ。
見た目も可愛いし、注文して揚げたてを食べられるなら良いかも!
待って…クマちゃんが珈琲淹れるんだから私が揚げるんだよね?
無理無理無理ムリ…
私、上手に揚げられないから!」
リスさんが自問自答している間に、クマちゃんはドーナツを揚げ、砂糖を粉雪のように散らした。
「リスさん!
食べてみようよ。
リスさんが作った木の実のクッキーと私のドーナツ。
珈琲と合うかなぁ…
はいっ!どうぞ」
クマちゃんは、ドーナツを揚げながら珈琲も淹れる事が出来ているようだね。
リスさんは、クマちゃんブレンドをひと口飲んでからまだ温かいドーナツをパクリ。
「クマちゃん!
蜂蜜の甘さがしつこくなくて、食感はふわふわでいい感じ!
私は好きだなぁ。
甘党のお客さん用にトッピング素材を別売りにしたらいいんじゃない?
チョコレートソース、蜂蜜、バニラシュガー、シナモンシュガーとかね!
容器に入っているのを選んでもらって会計すれば、容器の数で値段も把握出来るから楽だし!」
リスさんは、ドーナツが気に入ったらしく2個目のドーナツをもぐもぐ…
頬袋いっぱいに詰め込んでるの可愛いい!とクマちゃんに観察されているとも思わずに夢中でもぐもぐするリスさんなのです。
その様子がとっても幸せそうで、ずっと見ていたいなぁと思いながら…
クマちゃんは、木の実のクッキーを1枚口に運ぶ。
サクッカリッ。
これは…クセになる食感ね!
ラテに合うわ!
流石、リスさんだわ。
砕いたナッツとメープルシロップのハーモニーがたまらないわね。
大きめに焼いて1枚ずつ個包装にした物と小さく焼いて袋に詰めた物を用意する事にしましょうかね。
口の中で溶けるスノーボールも作ろうかしら?
定番と週替わりにするのもよいわねぇ。
お会計をしてくれる人が必要になるかしら?
ハニーラテを飲みながら、木の実のクッキーをポリポリするクマちゃんは珈琲屋と書いたノートに色々書き込んでいる。
クマちゃんが淹れるハニーラテはふわふわのフォームミルクの上からトロンと黄金色の蜂蜜がたっぷりかかっている。
見るからに甘くて幸せな雰囲気漂う飲み物なのだ。
「ねぇねぇ。
私の作ったクッキーどうだった?
あっ…ハニーラテ飲んでるの?
本当に蜂蜜好きよねぇ。
私はキャラメルラテか、カフェモカがいいなぁ。
やっぱブレンド以外も出すならお会計係が必要になるんじゃない?
それとね。
店前にベンチ置こうよ。
直ぐ食べたくなっちゃうからさぁ…
ドーナツは1個じゃ足りないよ。
ふとっちゃうなぁ…」
ドーナツが入っている皿を悩ましげに見つめているリスさんを観察していたクマちゃんは、
「リスさんのクッキー最高だよ。
ラテと相性ピッタリだから、大きめの1枚ずつと小さいクッキーの詰め合わせを用意したいと思ってるからリスさんにお任せするね。
定番ドーナツだけじゃなく、お豆腐ドーナツとか、おからドーナツとか、ヘルシーなメニューも必要かしらね?
島のみんながポッチャリするのも困るもの。
リスさんはドーナツ2個じゃ足りないみたいだし…」
今度は木の実クッキーを詰め込んでパンパンになっているリスさんの頬袋を見つめながら豆腐店に豆腐とおからを発注とノートに書き込んでいくクマちゃんである。
珈琲屋はに~ずが開店するまであと少し。
クマちゃんが作るふわふわなねじりドーナツは、ねじりんぼって名前に決定したよ。
はに~ずが開店したら、みんな珈琲とねじりんぼを買いに来てね!
待ってるよ!!