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君だけが… 第2話

浮気男は成敗してやるんだ!と気合いを入れて帰った葵を待っていたのは‥

葵が帰ってきたのにも気づかずPCでゲームをしながら浮気相手と通話を楽しむ彼の姿。

悲しくなって部屋を飛び出そうとしたけど‥

この部屋は私の部屋なんだから出ていくのは向こうだと思い直し、ブレーカーを落として

落ち着く為に部屋から出る事にした。

仕事もせずにずっと部屋でゲームをしている彼。

いつからこんな事になったんだろう。

部屋にいない時は、飲みに行っているか、女に会いに行っているのだ。

いつからふたりで出かけなくなったんだろう?

思い出せない‥

ふたりが幸せだったのはいつ?

悲しくて部屋のドアに背中をつけたまま泣いた。

上手くいってるって、私が勝手に思ってただけなのかも‥

私が全て彼に合わせて、嫌な事があっても見ないふりしてただけだ。

彼だけが悪いわけじゃない。

ひとしきり泣いたらスッキリしたので、部屋に戻る事にした。

部屋に戻ると彼はちょっと前に停電があってビックリしたと

今日のご飯何?といつも通りだった。

私‥

この人の事‥

好きでも何でもない。

急に自分の気持ちがわかった。

さっきまで浮気相手と楽しそうに喋っていたくせに、私にはお帰りも言わずにご飯の催促をするなんて‥

馬鹿にするにも程がある。

私が彼に惚れ込んでいると思っているから出てくる言葉なんだろう。

◇◇◇◇

完全に白けきって、

「もう一緒に暮らせないから出ていって。さっきの停電じゃないよ。帰ってきても、気づかずに女と喋ってるからムカついてブレーカー落としただけ。いい人出来たんなら、その人のとこ行けば?」

一気に言いたい事をぶちまけた。

あー。スッキリしたと思って彼を見ると‥

何故か‥

号泣していた。

もう好きでもない男の泣き顔に絆されたりはしない。

泣き落としとか‥

ないわぁ‥ 

「じゃあ、落ち着いたら出ていってね。」

そう言い残して、私はひとりで飲みに行く事にした。

馴染みのバーで飲んでたら、泣き止んだのか浮気男が来たけど無視してひとりで飲み続けてた。

彼と付き合うようになってからはなるべく飲まないようにしてたけど‥

実は、彼より私の方がお酒は強いのだ。

普段は軽いカクテルしか飲まない私がバーボンのロックを煽っているのを見てドン引きしている彼。

やっぱ、猫被って付き合っても無理だったなぁ。

これからは、ありのままで行こう!

「マスター!おかわり!」

私‥

ひとり飲み大好きなんです!

マスターや常連客と会話を楽しんでるうちに浮気男はいなくなっていた。

明日は大学もバイトも休みだし‥

飲み明かすぞ!

その後、久しぶりに会ったかつての飲み友達とバーを梯子して‥

酔いざましにファミレス行ってモーニングしてから

早朝からやってるスーパー銭湯へ。

さんざんサウナに入った後は、垢すり。

あまりにも眠くて仮眠室へ行くと倒れるように寝たらしい。

しばらく、浮気男の事で悩んでたから睡眠時間も取れてなかったせいもあるのかな。

私なりに色々頑張ってみたのが間違った方向性だったんだよね。

起きたらスッキリしたので、もう一度お風呂に入ってから帰る事にした。

もう彼の顔は見たくないので、奏のところに行く事にしよう。

奏に後から行くし、今日泊めて!お菓子何欲しい?とメッセージを送って‥

とりあえず、お風呂だ。

心に溜まりきったモヤモヤも汗と一緒に流してしまおう。

そして、新しい私になるんだ。

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