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エッセイ

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2024年8月の記事一覧

死にたいと、わかりたいという欲望について

死にたいと、わかりたいという欲望について

久しぶりに日本酒を飲んだ夜。
最近、どうしてるかな?と思っていた友達が、いつものバーに入ってくる。
いつだって彼と会うと、映画や小説や音楽の話から始まって、ついつい冗談を混ぜながら、真剣に語ってしまう。
何を考えてるかわからない、彼は恋人にそう言われた、と言い、じゃあ、わかるってなんだろうね?って話になる。
普通さ、の普通や、常識的に考えて、の常識ってなんだろう、とも話し、話しながら考え、彼と別れ

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これからが欲しい

これからが欲しい

この写真が撮られたのは2016年の8月。
あれから8年が経つんだな。
この写真の奥には、一人の(まだ)女の子がいる。
頑張って下さい、と書いたのもその子だ。
その当時、「もうたくさんのものを貰ってます」と言われて、そのたくさんのものが何かを確かめることはしなかった。
この8年、たくさんのことがあった。
あっという間だった。
がむしゃらに突っ走ってきたな、と書ければ、少しはかっこよく響くかも知れない

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諦めたくなかった

諦めたくなかった

たまたまふと、橋口亮輔監督の2001年の映画、「hush!」を観る。公開当時から劇場でも何回か、VHSを買って家でも何回も観ている。
久しく観ていなかったけれど、この135分かな?すべてが自分の中に入っているし、大切にある。それは会話だけではなく、シーンもだし、この45歳になってはじめて響く事もあった。
橋口亮輔監督は「二十歳の微熱」「渚のシンドバッド」が衛星放送で流れていて、録画して観て以来、あ

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揺れる感情の日々

揺れる感情の日々

やっぱり夏はだいたい毎年、調子を崩す。
今年もまた、少しの間、布団に潜って夜をやり過ごす。まるで、ジョン・レノンの「真夜中を突っ走れ」だ。

ふと友達が言う。「未来が明るいなんて信じられないですよ」分かる気もする。けれど、「未来がいまより良くなっている」と、「思考をポジティブな方向に変えてみる」、「言葉を使う際には決してネガティブな言葉を使わない」、
いま僕はそれを試している。

だからと言って、

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不登校だった頃といま

不登校だった頃といま

社会の中で、マジョリティの側ではない場合には、自分が何をどう感じているかを、いや自分自身ですら言葉にする事がまだ出来ていない感情や行動に対して、説明しなければならない場合が、多々ある。もちろんマジョリティとは何か?と一旦、留保しながら。自分の繊細さを、苦手だったり、出来ない事を、自分の混乱を、更にそれを言葉で(発語がある場合)説明しなければならないって、更にしんどくなるだろうな、と思う。
不登校児

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幸せになる事にどこか罪悪感があったな

幸せになる事にどこか罪悪感があったな

と、ふと思い浮かんだのは、昔の友達の家で友達の奥さんが、きみはさ、と言う…きみはどこかで幸せになる事を拒んでる様に見える、と呟いたのをふと思い出したからかも知れない。その奥さんはワンルームの壁に背をもたれて、煙草を吸っていた。

ーーー

夏が来て、忙しくしている。音楽だけは聴いていて、ご飯はだいたいは自炊する様になって、それ以外は大体は仕事ばかりしている。

長い勤務の後、一度自宅に帰り、シャワ

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