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「何事もない空」

ただ何事もなく 陽は小石につてゐる
ひとつの時代を映すやうに

晩方ばんかた狂つた酒呑人さけのみにん
蹴散らされるを知りながら

ただ何事もなく 雲はあちらに流れ往く
淡い夏がわたしを背にして

こんな詩を知つてゐるかいと
きいてもにつこり致すだけ

ただ何事もなく は天上にゐる
かつての激しさなく ぢつとたしかに

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