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ふと見るけふの朝陽は、本当に温かかつた。 窓辺にゐる私の身体を優しく包み込むそれは、 まう…
またもや違ふ秋が来る 変はり始める山の彩り 指先から伝ふ風の冷たさ 思ひ出されるあの日々と …
亡くしてから君のゐない日はない 青空に雨の降り続くやうに ふと君のことが思ひ出される 僕だ…
幾重もの言葉を紡ぎました。 意味を成して世々を往つたのは ほんのわづかになりますが、 その…
悲しむ間も無く秋が来る 風に肌さす冷たさ宿り 虫も草葉に斃れ伏す ここからいよいよ草は 赤…
嵐が過ぎて雲間から 美しい青がのぞいたけど 今になってやっと気づいたんだ 夏の青さがとうに…
坂を転がり落ちるがごとく、夏の陽とく落ちぬ。日高きころは汗あゆほどに夏を感ずれど、入り日すれば忽ち夕空秋めきぬ。朱色なほ鮮やかに、蜻蛉の多く飛び違ひたる。夜の帳が空を覆ふころになれば、草叢の陰より虫が音聞ゆ。また風も涼しく流る。 雲去れば空万丈に星輝きぬ。徒然と眺めをれば、音もなくひとつふたつと夜を流れるものあり。その疾くこと願ひ宣り給ふこと能はず。ただ虫の音盛むに奏で合ひたり。切々たるさま我に似たるかな。 メモ帳のなかから、いつか書いた日記?のようなもの。古文調です
暮れゆくけふの日の中にも 確かに思ひ出があつた。 吹く風の匂ひだとか 往く雲の種々の形だと…
傘から雨水がたれて落ちる 電車のゆかに揺れ動く 水たまりは僕の世界 むかしふたりが国を産ん…
秋の嵐は夏を殺した。 火照つた頬を冷やし 夏の残りを吹き消してゆく。 綿毛の失せたタンポポ…
雨が降る来る 悲しみを越えられるか 側溝を流れる雨だつた水 我が悲しみを連れ去るか 燈火の…