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彼とクリスマスツリーを見たい

いつもは住宅街に向かって出勤する私も、今日はキラキラのThe東京に出勤した。その帰り道。木にはていねいに小さな光源が付けられ、白、青、あたたかな黄色と、ただのビル街がクリスマス色に鮮やかだった。その帰り道、ただ隣に彼がいて欲しいと思った。

大学生の頃、葉っぱが色づく季節に同級生の女の子となんとなく恋バナをした時があった。

その時その子は「彼氏を作ってクリスマスツリーを見に行きたいな〜」と言っていた。私には“彼氏を作る”ことも“彼氏とクリスマスツリーを見る”こともどうしても共感できない理想だった。

クリスマスツリーを一緒に見たい彼氏なんて、イベントや思い出を作りたいだけの存在、自分の人生を彩ってくれる人が欲しいだけなんじゃないかと思った。

でも今、私は彼と一緒にクリスマスツリーを見に行きたいかもしれない。いや、行きたい。

そうでなくても、このキラキラに彩られた街の中を彼と歩きたい。

クリスマスはたぶんずっと好きな季節で、寒さに負けずと外に出る唯一の時期。もこもこにあたたかくして、セーターを着て、ブーツを履いて、末端冷え性の手をうんと冷たくしながら、一人でクリスマスマーケットに行ったり、クリスマス音楽の流れるショッピングモールをただひたすらに歩き続けることもした。浮かれる世の中の雰囲気が好きだった。

今でもきっとできる。いやむしろしたい。
今はクリスマスマーケットやショッピングモールに行ってうかうかしたい。のほほーんとしたい。

でも、きっともう1人じゃダメかもしれない。クリスマスマーケットも一人で十分楽しいけれど、彼がいて欲しい。私は氷のように冷たい手をしてるかもしれないけれど、その手で彼と繋いでキラキラに彩られた今だけの鮮やかな街並みを歩きたい。

クリスマスツリーを眺めるなら、隣に彼がいて欲しい。

「彼氏とクリスマスツリーみたい」なんて女の子になるつもり無かったのに、今の私はそうなってるみたい。

早く彼くんに会いたくてたまらない、そんな帰り道。

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葵月みず
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