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一人十色

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オリジナル小説、一人十色のまとめです。 毎週金曜日、21時に投稿予定。
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2024年5月の記事一覧

【小説】一人十色 第5章「殺言観色」

【小説】一人十色 第5章「殺言観色」

「行ってきまーす!」

 朝が楽しみだと感じたのはいつ以来だろう。いや、そんなことどうだっていい。今が楽しいのなら、私は幸せだ。やっと見慣れてきた街並みが、今日は少し違って見える。どこを見ても美しいと感じてしまう。きっと、共感できる人と出会ったからだろう。今日はどんな話をしようか。

 学校の近くまで行くと、同じ高校の生徒が増えてきて安心する。どうやら通学路はしっかり覚えられているようだ。胸の前で

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【小説】一人十色 第4章「某色蒼然」

【小説】一人十色 第4章「某色蒼然」

 心地よい風が、鳥の歌声を運んでくる。鳴いてる鳥はどこにいるのかな。空を見上げて探そうにも、夕日が私の視界を眩ませる。でも、夕日が眩しいと感じるのは私だけみたいだ。これも病気のせいらしい。そんな、美しい夕日があまりにも眩しくて顔を逸らした時、目があった。教室で何度か目にした顔だ。確か名前は……。

「不知火君?」

「そうだけど、誰?」

 驚いた。転校生とはいえ、今日一日一緒の空間で生活していた

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【小説】一人十色 第3章「目迷誤色」

【小説】一人十色 第3章「目迷誤色」

 目が覚めた。眠い目を擦りながら時計を見ると、6時を少し過ぎたところだった。どうやら、早起きしてしまったようだ。いつもなら二度寝しているところだけど、今日に限ってはそれができない。なんともしても寝坊するわけにはいかないのだ。

 とりあえず歯を磨いてから、キッチンに行き冷凍庫から食パンを取り出す。カチカチに凍った食パンを見て少し笑い、トースターへと放り込む。その流れでケトルの電源を入れしばらく待つ

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【小説】一人十色 第2章「巧言玲色」

【小説】一人十色 第2章「巧言玲色」

 この街に引っ越してきて1週間が経とうとしていた。最初こそ色々と困惑してしまい、自分は本当に上手くやっていけるのだろうか? そんなことばかりを考えていたが、人間とは面白いもので慣れてしまうのである。そして、慣れが来た後は、必ずと言っていいほど飽きが来る。ソファーに寝転がり、テレビのチャンネルをひたすら変え続ける。

「ザッピングの調子はどうだ? さあ、夕飯にしよう。ご飯よそってくれるかい?」

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