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時の流れ

ずっと待ち続けていたその時を、もう待たなくていいことへの安堵と少しの罪悪感。そんなもの、持つ必要はないのだけれど。

ずっと望んでいたその時は結局来なかった。けれどおそらくそれを上回る時に巡り会えたから、きっとこの道で合っているのだろう。

私のこころの中に、きっとずっと居続ける人。忘れることはないであろうその人。

私の時は、おそらくあの瞬間で止まってしまっていた。動いてはいけないような気もしていたし。私のまわりだけ、気づけばどんどん時が進み、いつのまにか私は時の流れの外側にいて、ただぼんやりとそれを眺めていただけだった。

過去にとらわれ身動きできずに、過去の想い出だけで生きながらえていた。だけどあの子があらわれて、私を時のスピードの中へと押し戻してくれたのだ。ようやく動き出した時のなかで、私は少しずつ自分を取り戻している。

人生はいつだって不思議なことの連続だ。未来はわかっているようでまったくわからない。予想通りには進んではくれない。私たちは誰も1分先のことすら正確に予測することができないのだ。そんなことを改めて思う。この不思議な時の流れに身を任せ、今日も私は生きている。

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