46「詩」ワームムーン
年老いたというのが理由でしょうか
社会から取り残されていくような気がするのは
居ていい場所が狭くなるような気がするのは
少しだけ暖かく感じる夜
月が鮮やかに浮かんでいる
ひどく傷ついて心が重かったのです
一歩前に進むのでさえ
両手いっぱいの勇気をもってさえ
月の光が夜道にうっすらと影を作り
家々の間を縫って続いている道を
照らしています
これから私が歩いていく道
ワームムーン
3月の満月は
まだ始まったばかりだと
暖かい影を落としながら
果ての見えない道を
照らし続けているのです