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022【芸術は自然をうつす鏡である】

「芸術は自然を人間にうつす鏡である。」
北海道の芸術家佐藤忠良の言葉だ。

「しんけんに、絵をかき、ものを作り続けていると、 じょうずになるだけでなく、人としての感じ方も 育ちます。このくり返しのなかで、自然の大きさが わかり、どんな人にならなければならないかが わかってきます。 」(佐藤忠良)

「図画工作の時間のめあては、上手にかく ということではなく、見たり考えたりしたことを、 自分の感じたとおりにかくことである。」(佐藤忠良)

芸術に限らず、教育全てに通じること。主体的に学びを深めるには、やる気を湧き起こさせなければならない。やる気を起こすには、どうすればいいか。その本質を捉えている。

現在、子供の身体的成長(身長・体重)は幼児期から約2歳早くなっている。これは栄養の影響が大きいと言われている。性的成熟も同様である。これは栄養や情報刺激が大きい。かな読みの成績は半年ほど早まっている。幼児期の学習への投資は、その後の投資と比べて、特に効果的と言われている。
脳科学からの知見によると、教育効果の強い時期は、言語分野では乳児期から、数や社会性では幼児初期からである。11歳時の学力への影響要因として以下の4つがあげられる。
1 家庭環境や経済格差
2 母親の学歴
3 小学校教育
4 幼児教育(就学前教育)
幼児教育の質が高くなるにつれ、小学校での学力の向上が強く見られる。家庭環境を統制しても、幼児教育の質が小学校での自己統制力に強く影響する。
つまりやる気を引き起こすには、幼児期における学びに向かう力の育成が大きく影響するのだ。学びに向かう力は4歳までに育つと言われている。この頃には、文字・数・思考の成長も見られる。集中力・挑戦力・持続力・好奇心・工夫力などが発達し、がんばる力や好奇心の種が芽生える。やがて、基礎的学力や論理性が育まれていく。そのためには、3歳までの保護者の関わりが重要である。特に、子供の意欲を尊重する態度だ。例えば以下の2つ。
1 子供がやりたいことを尊重し、支援している。
2 どんなことでも、まず子供の気持ちを受け止めるようにしている。
他にもいくつか考えられるが、しりとり遊び等の言語による関わりが、ワーキングメモリーを幼児期に育てていく。注意統制機能は7歳までにほぼ出来上がると言われており、報酬を与えたり、目的を持たせたりといった応用行動分析によるやる気の持たせる方法もあるが、幼児期の関わりが最も重要と思われる。幼児期に何を与えればいいか。

「しんけんに、絵をかき、ものを作り続けていると、 じょうずになるだけでなく、人としての感じ方も 育ちます。このくり返しのなかで、自然の大きさが わかり、どんな人にならなければならないかが わかってきます。 」(佐藤忠良)
「図画工作の時間のめあては、上手にかく ということではなく、見たり考えたりしたことを、 自分の感じたとおりにかくことである。」(佐藤忠良)

絵に限らず、数字、文字、言葉、行動を、ありのままに認めてあげるようにしたい。ただそこにいるだけで、すばらしいことなのだと。子供が子供らしくいることを大切にしたい。

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