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ビリヤニ【3】 北インドの伝統的ビリヤニ
インド食器屋「アジアハンター」の店主・小林真樹さんが、食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しい料理、お店、そしてインドの食文化をご紹介します。
インドで多様なビリヤニが存在するのは、何もヒンドゥー教徒用にカスタマイズされたり、もともとあった米料理をビリヤニ化したりというイレギュラーな進化によるものだけではない。イスラム教徒本来の、宮廷文化の拡がりと共に花開いていった「正統派」のビリヤニが各地で今も存在する。そしてそれらの地で生まれたビリヤニは、当然のことながらムガル帝国の地理的な勢力圏拡大にともなうもので、各地を治めたナワーブやニザームたちが築き上げた文化の結晶の一つともいえる。
前述のとおり、厳密な意味での「本物のビリヤニ」を求めるのならタイムマシンで当時のムガル宮廷に出かけなければならない。しかしそれが非現実的な願望である以上、なるべくオリジナルに近いものを求めたくなるのが人情だ。こうして私たちはビリヤニを求める旅に出る。
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2024年12月13日(金)発売
『深遠なるインド料理の世界』小林真樹/著