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モモ【3】 日本化したモモ

インド食器屋「アジアハンター」の店主・小林真樹さんが、食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しい料理、お店、そしてインドの食文化をご紹介します。



『料理と帝国』(レイチェル・ローダン著/みすず書房)によると、小麦粉の皮で詰め物を包んで蒸す/茹でる「ダンプリング=饅頭(マントウ)」は中国内陸部で誕生し、その一部はチンギス・ハン率いるモンゴル軍の西征によって西アジアやヨーロッパに伝わったという。一方、古くから仏教の聖地だったチベットのラサなどには多くのモンゴル人巡礼者が訪れていた。チンギス・ハンのイメージから(モンゴル人=イスラム教徒)のイメージがあるかもしれないが、実は現在でも最も多くのモンゴル人に信仰されているのは仏教、それもチベット仏教である。おそらくモモはこうした巡礼や交易を通じて中国内陸部からチベットへと伝えられた饅頭が、現地化したのではないだろうか。




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2024年12月13日(金)発売
深遠なるインド料理の世界』小林真樹/著