「全国最中図鑑」25 都電もなか(東京都)
明治44年から都民の足として都内を縦横に走っていた都電が、自動車交通量の増大により全面撤廃と決まったのは昭和40年代のこと。47年には全ての都電が廃止となった。だが、三ノ輪橋〜早稲田を結んでいた荒川線だけは、10万人を超える利用者がいたこと、軌道の9割が道路と分断された専用軌道で道路渋滞の影響が少なかったことなどから、存続が決定した。
その都電荒川線「梶原」駅前商店街の入り口にある菓匠明美が、今回のお店。都民の足として慕われていた都電の廃止が決まった時、当初は荒川線も廃止の予定だったため、「都電を何かの形で残せないだろうか。ここに都電が通っていた証になるものを……」との思いから生まれたのが、この『都電もなか』。
原材料の風味や口当たりにこだわりを持ち、あんも最中種も何種類もの試行錯誤を繰返して、現在の都電型の焦がし最中種に北海道産最高級の小豆使用のつぶしあん、短冊状の牛皮餅を入れたもなかが完成した。
遊び心あふれる都電のミニチュアパッケージに入ったもなかは、「都電の小さなお土産品」として、遠方からも購入客の絶えない人気商品である。
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