62:BAR BAR BAR
蒼い息吐く箱の中。
街の流れをあてにして、タバコ燻らせ2、3分。
やはりここだと落ち着かぬと、いつもの行きつけバーに行く。
小さな電飾もう切れて、狭い階段駆け降りる。
木組みの溢れた、地下の箱。
今日も俺の特等席。
奥から二つ目のその椅子は、
俺のために空いているみたいだった。
缶ピースがカウンターに置かれる。
マスターとは昔からの馴染みだ。
続いてバーボン。
しけもく燻らせ傾ける。
今日はツケを払わないとな。
ちゃちい腕時計を脱ぎ、
待ち人もなく待っていた。
金はないけど、なんとかなるさ。
明日は今日より出る気がするのさ。
ツケも返さなきゃならないしな。
ない連絡を待ちぼうけ。
今日は何もないようだ。
汚い我が家に帰るとするか。
この階段が俺は一番嫌いだ。
急すぎるし、狭っ苦しい。
外は雪が降っている。
1人も時には悪くない。
壊れた電飾蹴っ飛ばし、
新しいキセルに火を付ける。
いつまでも明るい街のネオンに、
俺のしけもくのっかった。