99:いつか終わる夜に
夜、それは私が一番落ち込む時間。
暗くて重い世界は私の内面まで入ってくる。
寂しさを紛らわすだけなら、誰でもいいはずなのに。
歌の歌詞がいつになっても離れていかない。
昨日の帰り道、うざいと思ってしまった。
なんでだろう。愛しているはずなのに。
言葉にされると気持ち悪かった。
本気なのか、妥協なのか。
彼の輪郭が曇った。
窓の外には煌びやかなネオン。
私を呼んでいる気がしてならない。
気楽に生きるのは、悪くないの。
赤マルの匂いにも慣れてきた。
ああ、綺麗だ。
星空を見続けても、あいつは戻ってこない。
なんで言わなかったんだろう。
流れ星にもお手上げか。
人のいない交差点の真ん中に立つ。
午前3時は治外法権。
勇気を出して飛び出してよかった。
夜を少し見くびっていた。
ああ、何も浮かばない。
明日という名の今朝を迎えようとしている。
焦り、憤り、素直に話せたらどれだけいいか。
悲しいこと結末ばかり浮かんでしまう。
夜はいつか終わる。
人の数だけ夜はあっても、
決して明けない夜はない。