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30歳で初めて生まれ故郷を離れた人に学んだ生き方

自分には、節目節目に出会った人達が自分の進む方向を変えてくれたという経験が何度かあります。

長い人生、必ず立ち止まる時があると思いますが、そんな時自分は日本で出会ったあるアイルランド人から学んだ言葉を思い出して前進しています。

アイルランド人との出会い

彼に出会ったのは、自分が20代後半で海外を拠点に生活したいと考えていた頃でした。
内向的な自分が言うのもあれなんですが、彼は結構寡黙な人だったので、正直この人の内面読めないな、と感じていました。
自分が日本で出会った外国人は、比較的おしゃべり好きな人が多く、自分の意見をはっきり言う人ばかりでしたが、彼は意見を自ら言うタイプの人ではありませんでした。

ある日、仕事帰りにその人と会うことになり、公園で缶ビール片手に話をしていました。
1年後にはモントリオールへ戻り、その地を拠点に生活することを計画し始めた頃で、彼にはその事を話していました。

すると、プライベートな事はあまり言わない彼が、どうして日本で働き始めたかを、色々と話してくれ始めました。

決断の30歳

彼がアイルランドから飛び立ったのは30歳。生まれてからずっと同じ街で過ごし仕事をしていたある日、このままでいいのかと思い、求人募集を見ていたそうです。
そして、選んだ先がアイルランド国内やヨーロッパではなく、とある中東の国。応募したところ無事採用されたので、そのままアイルランドから遠い異国の地へ引越したそうです。
3年ほど働き、刺激的な異文化生活だったようですが、同時にかなり精神的に辛い状況だったそうです。宗教的考え方の違いや、文化の違いを目の当たりにし深く思い悩んでいたそうです。
息抜きにアジアを旅し、たまたま日本を訪れ、そこでたまたま仕事を見つけ、日本で仕事をすることをすぐ決断したそうです。

海外旅行でいろんな文化に触れている人にとっては大した事ではない、と思うかもしれません。でも、30歳まで生まれ育った故郷を離れたこともなく、異文化交流もしたことないような人が、いきなり中東の国で仕事をするというのは大変な苦労があっただろうと容易に想像できます。

そんな彼が、さらに自分に言ったのは、

There is always a path.
道は必ずある、ということでした。

行き詰まって先に進めないと感じて、何も見えなくなってしまうかもしれない。でも、いつもそこには道があるんだよ。だからよく周りを見るんだ、と。

寡黙な人でしたが、この時は多くのことを語ってくれました。当時の自分を激励してくれていたのだと思います。
「この人って実は物事を深く観ていて、色んな経験と思いを持って日本に来たんだな」と一気に尊敬の念が湧いたのを覚えています。

自分が歩んでいる道

彼とこの話をした約1年後から、自分はモントリオールを拠点に生活しています。海外生活をする中で、もちろん思い通りに進まない事があります。そんな時、彼の言葉を思い出しています。

30代のころ、どういう風に生きていくか人生の目標を立て、Aの道を進んでいて壁にぶち当たったことがあります。どうしようもなく、八方塞がりな状況だと感じていました。この地でやっていけるんだ、という自信も失いかけた頃でした。
焦っていたので、とにかく一度立ち止まり、冷静に状況を把握する事にしました。

必ず道はある。

足掻いてもどうしようもない状況だったので、一先ず流れに任せてしまおうという選択をしました。直ぐには状況は変わりませんでしたが、数ヶ月後、ふと急に別の道が開けたんです。
冷静に周りを観察していないと別の道があることに気付かず、ただただジタバタし続けていただろうと思います。Bの道が見え始め、その道を進みながら物事を進めることで、自分が失いかけていた自信も取り戻せた気がしています。

結果的には遠回りで時間がかかってしまったものの、それでも目標としていたことには辿り着くことができました。そして、遠回りと思った道も、実は自分の糧になる石ころがたくさん転がっていたんです。

物事にぶつかった時、ある程度柔軟に対応できたのは、自分の根幹には彼の「必ず道はある」という言葉が支えてくれていたんだと思います。
同じように、他に出会った人からも人生哲学を学び、参考にしながら今も歩いています。

人生いろいろ

人には様々な人生があり、いろんな道を歩いています。
みなさんの周りにも色々な経験をされている方がいると思います。そういった人に耳を傾けると、自身の人生を何かプラスにしてくれるカケラがあるかもしれませんね。

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