切望/足枷/夢中/指切
『切望』
この鬱屈とした気分を吹き飛ばすほどの約束が欲しい。
例えば、”君の名前で僕を呼んで、僕の名前で君を呼ぶ”とか
”俺が死んだら、墓の上で踊ってくれ”とか、そんな感じの約束。
それさえあればどんな地獄でも生きていけるような、
私自身を支える為のつよい約束。
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『足枷』
「髪、切ったの?」なんて
数年振りに会った人にかける言葉じゃないな。
言った途端に後悔したけど
「そうなの、似合う?」なんて返す君は、
僕が必死にあの頃の面影を探す行為を
意図も簡単にやめさせる。
ねぇ、成長しないって約束じゃん。
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『夢中』
毎晩夢で会うあなたと私で、
真っ赤な傘を目印にいつどこで会いましょう。
こんなにも単純なことなのに、
眠りの中で約束ができないのはなぜ?
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『指切』
約束って、両思いが前提だ。
片方の願いをもう片方が受け入れて、約束に昇華させる。
それが受け入れられなければただの身勝手な願いになってしまう。
あなたはいつも「しようね」と言う人だった。
今夜は映画を観ようね。
次の休みはドライブに行こうね。
いつまでも一緒にいようね。
多くの約束を勝手に取り付けては勝手に忘れていく。
そんなもの最初から無かったかのように。
愛しい呪いは未だ小指に絡みついて離れないから、
私たちは針を二千本用意しなくちゃいけない。
いつまでも一緒にいようねって、約束したよね。
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