アニメ思い出し語り 27 ゲゲゲの鬼太郎(2期)
自分が一番最初に観た鬼太郎といえば2期だった。再放送だった。
OPからして不気味さを感じるが、野沢雅子さんの鬼太郎はどこか飄々としている雰囲気だった。
確か「髪さま」の事件解決後、次の金儲けを画策するねずみ男に、「(妖怪退治の為に)割れた鏡をくっつけて売った方が儲かるんじゃないか?」と提案したり、他の話で「働けど働けど、我が暮らし楽にならざり」と言うねずみ男に、「じっと鬼太郎の手を見る」(この話では鬼太郎の手が活躍していたと思う)と返したり。
この時の鬼太郎の家はすごく高い所にあるが、鬼太郎の家としてはこれが一番好きだな。OPで通りかかったねずみ男の頭に、落ちてきたゲタが当たる所も込みで。
この期から猫娘がレギュラーになる。「鬼太郎さん」という呼び方の猫娘は、単独ヒロインという感じがして良かったな。
この時代がそうだったのだが、今なら「左翼的説教くささ」と言われてしまう作品がいくつもあった。
「原始さん」の中で目玉おやじは「原始さんはエコロジーさんとも言い」と言う。1970年代にも使われた言葉だった。
「あかなめ」や「マンモスフラワー」も環境問題を扱っている。
そういえば「あしまがり」は高畑勲演出である。まさかずっと後でタヌキと環境問題についての映画を創るとは、思いもよらなかっただろう。
まだ戦争から時が今ほど経っていない事を思わせる「南からの招き」は、原作はコメディっぽいのだがちょっと怖い話にアレンジされていた。
「足跡の怪」の救いの無さも怖い。これが一番怖いが、「霊形手術」の最後も怖かった。ぽつんと「砂かけのおばばから聞いた事がある」と鬼太郎が語る事も含めて。
この話の他、「縁切り虫」や「幸福という名の怪物」のような大人の欲望を描いた、とても子供向けと思えない話もあった。
「妖怪水車」は、妖怪に姿を変えられても我が子を思う両親の描写も良いが、妖怪側が使うローラーにしめ縄がされているというのも興味深い。
このローラーの存在、人間も知っているのだろうか。
「隠れ里の死神」の、鬼太郎でもできない事があるという切ない終わり方は、印象に残るものだった。
「髪さま」で髪の毛の妖怪に襲われる、V-107ヘリコプター(自衛隊だったか警視庁だったかは記憶が曖昧)の描写も凄かった。
カーラジオまで付けた自動車に、犬の妖怪が化けていた話もあった。
怖い話ばかりではない。タイトルは思い出せないが、砂かけ婆たちがアパートを追われ、頭だけの釣瓶落としまで一緒に逃げる話は何かおかしみを感じた。
おかしいと言えば、「死人つき」で集まってくるよく分からない妖怪たちは、なんともユーモラスに感じた。
EDの「カランコロンの歌」の声がサザエさんの加藤みどりだとは気付かなかったな。
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