#043. 企業と生産能力とGDP.
(1) 考察の方針.
前回、 GDPを人口で割ることで「生産性」を考察しました。
GDPは、あくまで結果として存在しているデータです。
ですので、結果から推察するアプローチだったと云えます。
本稿は、現在地点から 不確定な未来を推定してゆく角度から
企業の生産能力を考察します。
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(2) 企業と生産能力.
生産能力は、開発能力 と 置き換えて頂いても大丈夫です。
株価や 時価総額といった観点ではなく、
ある企業が、組織として持っているものを生み出す力になります。
記号を 以下のように仮置きさせてください。
・DA …… 企業の開発能力,Development Ability.
・H_Abi …… 一人あたりの 生産能力.
・H_Time …… 一人あたりの 労働時間.
・H_C …… 人数, Head Count.
・H_Y …… やる気.
・S_Abi …… 設備の生産能力.
・S_Time …… 設備の稼働時間.
こちらをふまえますと 企業の開発能力は、
DA = ( H_Abi × H_Time × H_C × H_Y )
+ ( S_Abi × S_Time )
のように表現できます。
要するに 人間が あくせく働いている部分と、
工場にあります自動機ような設備ですとか、あるいは、
サーバ上でソフトウェアが 24時間営業している部分とを
足し算すれば、その企業の生産能力になりますよね、
の仮説です。
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(3) 生産能力を増やすには?
生産能力を企業が高めてゆくには、各パラメータを
高めればOKです。考え方としては、シンプルです。
しかしながら 上記の式では、表現されていない
要素があります。Yes, コスト の部分です。
生産設備の能力を高めるには、設備投資が不可欠です。
設備の稼働時間を長くするためには、
保守に関わる人員をつけるケースが多いでしょう。
生産能力の高い人、つまりスキルの高い人は、
一般的に、単価も高いと考えられます。
また 労働時間が長くなると、どんなに能力の高い人でも
生産性がさがってゆく、負の相関があります。
雇用する人数(HC)を増やせば、固定費となります。
このように 企業の観点ですと、すべてのパラメータを
一気に 同時に 上げることは、難しいでしょう。
人に投資するのか?設備に投資するのか?
設備ならハードウェアなのか? ソフトウェアなのか?
そもそも 投資の費用を どのように捻出してゆくのか?
企業の特色が表れると思います。
ちなみに 私が所属しております労働組合は、
毎年「人への投資」を 会社に要求しています。
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(4) 抽象的な「やる気」の概念.
パラメータの中に、かなりフワっとした要素があります。
「やる気」です。こちらは、数値化が難しいですものの
組織の中には、存在している係数になります。
「やる気」については、別稿したいと思います。
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(5) 国家の生産性とGDP.
国家のGDPを上げてゆくには、企業の成長が必須になります。
企業が成長するには、「ビジネスで儲ける」が
最重要にございますものの、国策として、税金などの考慮も
大きな要素になりそうです。賃金を上げることにより、
高いスキルの人材を確保する、の順番で考えることもできます。
誰かの「売る」は、誰かの「買う」であったり
誰かの「利益」は、誰かの「コスト」であったり、
業界・業種などが違えば 利害も異なるのは、日常茶飯事です。
お金があれば 回避したり 払拭できる 不安や不幸は、
現実的に、たくさんあります。
・国家単位で俯瞰して、お金を 国内で循環させて
海外へのお金の流出を食い止めて、
そして 外貨を獲得してゆくには、どうすればいいだろう?
・今の自分の仕事において、
生産性のUPに貢献できる方法は、あるかしら?
どこか 心の傍らに持っていたい視点と思います。
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最後まで お読みいただき ありがとうございます。
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