9歳のボクが考えた不思議な話【オレはぬりかべ貯金箱バイ】
1話目「変な寝言」
オレはぬりかべ貯金箱バイ。
オレの置いてある場所は寝室の窓際バイ。
だから、朝方になると、オレを生み出した子息、子息の家族、そして、飼い犬の寝言が聞こえるバイ。
昨日は子息の妹が「もう!」と寝言で言って、細君が「ごめんごめん」と寝言で言ったと思ったら、「ちがう!SK!」と言っていたバイ。
これでもずいぶん変だバイ。
でも、変すぎるのは一昨日だバイ。
飼い犬がフンヒン寝言を言っていると思っていると、子息が妹に寝言で、
「Aちゃん、今日もシーキーシキねぇ」と言っていたバイ。
意味わからん。
オレはまずそう思ったバイ。
他にも紹介したい寝言はあるが、それをすべて紹介していたら、この話が終わらなくなってしまうから、これくらいにしておこうバイ。
では、また次の話で会おうバイ。
アブラカタブラー
2話目「教訓」
オレは見たことあるバイ。
1か月前、『吾輩は猫である』で、「そばは飲み物だ」と書いてあったからといって、子息がそばを飲んでいるところを。
飲んでから6秒後。
ブッブッブブブブブ
子息は目を白黒させて、皿に今飲んだばかりのそばを口から吐き出してたバイ。
それからというもの、子息はこれに懲りて、そばを飲まなくなったバイ。
その日の夜、オレは教訓を学んだバイ。
☆教訓☆
興味本位とはいえ、命がけで試すものではない。
また次の話で会おうバイ。
アブラカタブラー
3話目「無礼極まりない」
オレがいつも通りウトウトしていると、子息の妹がオレを肩で倒したバイ。これでもう3度目だバイ。
全く無礼極まりないと思っていると、急いでオレの口にコインを戻している妹に、ゴゴーンと子息が雷を落としたバイ。
「何やってんの!?
あー!
また倒したんだね。
何回も何回ももー許さないからねー!!
コイン1つでも見つかんなかったら、今日1日遊ばないからね!!」
「うう」
「分かったね!?」
とか言っても、しばらくしたら子息の方から「鬼ごっこやろう」とか言いにいくのだが。
コインを探す妹を見て、オレはスカッとしたバイ。
これでオレの胸のつかえがおりたバイ。
4話目「貯金箱vsアリ」
オレはたまにアリをやっつけるバイ。
なぜなら、子息たちはアリが好きじゃないからだバイ。
おっ、ウワサをすればなんとやら…だバイ。
「このーーアリめ!
やっつけてやらぁ!!」
「あっ、貯金箱!!」
=戦闘開始=
オレが先にアリを踏み潰そうとしたバイ。
トシッ
読者の方に断っておくが、この戦いに迫力はないバイ。
「食らえー!!」
ハムッ
今度はアリがオレに嚙みついてきたバイ。
「うう」と言いたいところだが、痛くないので言えないバイ。
「ちょこまかと逃げてバイ!」
「そういう者こそ、ちんちろり!」
どうやら、このアリは山口出身みたいだバイ。
そんなことを思っていると、またもや噛まれたバイ。
ムカッとなって、アリめがけてコインを発射したバイ。
ピュー トスッ
「ぬっ」
見事にコインは命中したバイ。
今度こそ!と思って、踏み潰そうとしたバイ。
その瞬間、アリは壁の隙間に入って逃げて行ってしまったバイ。
オレが悔しがっていると、ミントのミンちゃんの葉が飛んできたバイ。
オレは一言。
「苦戦だったな」と、言ったバイ。
すると、ミンちゃんの葉は、
「人生はどこまでも苦戦だよ」と、稀に見る正義の人、『ゲゲゲの鬼太郎』が言ってたことを言って、どこへともなく去っていったバイ。
♬ミンミンミントのミ
みんなで歌おうミントのミ♬
5話目「故郷は鹿児島」
オレの故郷は鹿児島バイ。
だったらなんでそんな話し方なの?
「バイ」とか「ごわす」って、九州の方言だと思うバイ?
オレが話すときに「バイ」がつくのは、オレの親友が九州生まれの九州育ちの一反木綿だからだバイ。
今回は、最後にお別れをしにきたバイ。
それでは、本当にお別れバイ。
さらば。
アブラカタブラー