志望動機とは人生である

esにおける志望動機とは、自分のこれまで歩んできた人生と、受ける会社がやりたいこととの結びつけを言葉にすることだ。

例えば、日本を代表するトヨタ自動車は、モビリティで社会を、世界を支える、そういう気概に溢れる会社だ。

そういうところに、車に乗ったことない、でもなんとなくニュースでよく見るし、なんとなく入りたいから業界研究をしっかりやろうと頑張ったとする。しかし、志望動機で
「現在の自動車業界は変革期にあり、その変化の中でより存在感のある会社にできるよう尽力したい」みたいなことを行ったら…どこかのコピペだとしか思われないだろう。そこに自分の言葉はあるだろうか?そういう志望動機では、簡潔に言えば他のesに埋もれてしまう。そこで勘違いして文体を変にして目立とうとする人がいる。勿論そういう個性を求める会社もあるかもしれないが、多くの場合は間違いだ。

だから、簡単にこういうフォーマットに当てはめて志望動機を書けば、基本的に他の誰にもない個性的で、素敵なesを書くことができる。

まず、会社でやってみたいこと。それを書く。
ちなみにこれはなんでもいいわけではない。受ける会社が今やりたいこと、それに近いこと、それを支えれるようなことを書くのが大切なポイントだ。それを見定めるために、業界研究、企業研究は綿密にやる。
そして、なぜそれをやってみたいと思うのか、そこを掘り下げていく。ここが最初に書いた、自分の人生と会社を結びつける作業だ。ここは、企業研究と自己分析、両方をどれだけ丁寧にやったかが物を言う。ここで、その会社でやりたいことと、自分の人生が繋げられないなら、その会社は受けない方がいい。どのみち落ちる。就活時期はどうしても四季報とか東洋経済ダイヤモンドとかの情報に流されて、年収とか休みとか表向きのわかりやすい情報に流されやすい。勿論それはとても大切な情報だが、それだけ見て選ぶとこの作業で信じられないくらいつまずく。ここでいかに自分の人生、生き方、考え方を表現し、会社にどうつなげるか。その一点で、いいesかどうかがはっきり分かれる。
フォーマットなんて大げさに書いたけど、この2つを意識しておけばだいたいなんとかなると思う。

ちなみにネットで有名コンサルとか金融とかに内定たくさんもらって就活なんざ楽勝とひけらかし、es金とって添削してやろうと上から目線の元就活生がいるが、そういう人たちはこの作業で自分にも人にも嘘をつくのがすごく上手い。まあコンサルとかはそういう人材が求められているしうってつけとも言えるが…。人事もそんなに万能ではないので、口が上手いだけで入ること自体はできてしまう。

一方で、すごく真面目で、実直な人ほど、この作業で嘘はつけない。それでも書き方がわからない…って人が、ネットでの就活強者に教えを請い、何かずれたアドバイスをもらう…その繰り返しでは負のスパイラルに陥ってしまう。
そうなると、もう就職先を自分のこれまでの人生に託すしかないのだ。自分の人生と、この会社でやりたいこと、この会社がやりたいこと、どうか結びついてくれっ!!!って思いながら自己分析、企業研究をするしかないのだ。これがタイトルにした「志望動機とは人生である」ということである。

こういった作業を繰り返していると、一週間経っても上手に志望動機が書けない会社、数時間で書けてしまう会社、と色々分かれてくる。
そして、うまくかけたと思ってもダメだったり、なんかなぁと思っても通ってたりもする。
この繰り返しで、少しずつ自分に向いている業界や会社が、見えてくる。だから、早い時期からたくさんの会社のesで志望動機を、真面目に一つずつ丁寧に書くことが、自分により良い就職先を見つける方法だと思う。すごい泥臭い作業だけど、まあどんなものでもそんなもんだ。必殺技なんてない。

私は昨年の就職活動で、大手メーカーから内定を頂いていて、今年から働くことが決まっている。
自分は要領は良くなかった。特に辛かったのは志望動機だった。嘘が書けない。でも、最後は思いがけず素敵な会社から連絡をいただけた。
そこに至るまでで、いろいろとわかったことがあったが、それをどこに書くでもなく、伝えるだけでもなく、ただただ忘れていってしまうのは何か寂しいと思い、備忘録的に書き残した。誰かの参考になれば嬉しい。

周りの友人で、就活うまく行かなかったと嘆く人の多くが、自分がやりたいことはこれだ!と決め込んで、視野が狭くなり、多くの業界に手を出していなかった。昔から、それこそ中学生の頃からずっと抱えていた夢であれば、何も言えない。でも、大学でバイト、ゼミ、先輩とかの話でなんとなく決め込んでしまう前に、一旦全部フラットにしよう。きっとあなたの人生と結びつく、素敵な企業との出会いがあるはずだ。

幸運を祈る。がんばって。

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