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フィードバックを「取りに行く」

フィードバックというと、多くの人は「言ってもらう」「評価してもらう」「買ってもらう」など、どこか受動的な印象を持つのではないでしょうか。

誰かが自分にフィードバックを与えてくれるのを待つイメージが強いかもしれません。
しかし、本当に成長を求めるならば、ただ受け取るのではなく、自分から積極的に「フィードバックを取りに行く」姿勢が重要だと、最近の経験から感じています。

私はFortniteでマップを制作し、これまでも公開後にEpic Gamesから提供されるデータ分析を通してフィードバックを得てきました。

これらの数値データやプレイヤーの行動を分析することはもちろん有益ですが、データはあくまで数値であり、ユーザーがどう感じているのか、その実感を直接掴むのは難しい部分がありました。

ある時、私はそのデータだけに頼らずに、自分が一人のユーザーとして自作のマップを体験してみようと思い立ちました。
ただのプレイテストという意識ではなく、ユーザー目線で純粋に楽しむ姿勢でマップをプレイしたのです。

実際にプレイヤーとして体験してみると、これまでとは違った発見がいくつもありました。
人気のマップと比較することで、何がユーザーにとっての「面白さ」や「楽しさ」を生み出しているのか、体験を通じて直感的に理解できたのです。

従来は人気マップの仕掛けやデザインを製作者として参考にしつつ、自作に反映することが主な手法でした。
しかし、実際に「プレイヤー視点」で体験することで、単なる技術的な仕掛け以上の感情的な価値がそこにあると気づきました。

たとえば「ここでこんな演出があると気持ちが盛り上がる」「このタイミングでのアクションは予想以上に楽しい」というように、感覚的な部分に意識が向くようになり、ユーザーにとっての本当の楽しさを実感することができました。

また、この経験を通じて、「フィードバックを待つ」だけではなく、自ら「取りに行く」姿勢の大切さも改めて実感しました。

受け身のフィードバックでは、得られる情報に限りがあり、自分にとって本当に必要な成長の糧を得るのは難しいかもしれません。
自分から動いて多角的にフィードバックを収集することで、より深い学びや改善点が見つかるのではないかと思います。



これは個人の制作に限った話ではなく、組織における働き方にも同じことが言えると思います。

会社員として働いている場合、フィードバックは定期的な上司とのミーティングや評価で受けるものと捉えがちです。

しかし、それだけでは成長の機会が限られてしまいます。
自分から意識的にフィードバックを取りに行く方法はいくつもあります。

例えば、社外にメンターを持ってフィードバックを求めることや、自分の携わっている商品やサービスを実際に消費者として利用してみることなども有効な手段です。
こうした外部の視点を取り入れることで、組織内での評価だけでは見えてこない改善点や、新しい視野が広がるのではないかと思います。


今回、フィードバックを「取りに行く」という姿勢を持つことの大切さに気づけたことで、今後の制作がより豊かな成長の機会になってくれると感じています。

制作の技術や方法論だけでなく、ユーザー視点での体験価値にも目を向けながら、さらに質の高いコンテンツを作り上げていきたいと思います。

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